■■ 023 ★ 画廊オーナー初心者マークの一年 ■■

2008.3.9

ご縁があり、ギャラリー物件の購入を決めたのが2007年の二月でした。

工事開始が3月。

そういう話から計算すれば、オーナー1年目ということになります。

オープンは7月でしたけどね、まあ、頭の中は、『ギャラリー経営とは何ぞよや』という話でイッパイだった一年でしたね。ちと疲れたというのが本音のところです。

まず、一番初めに気づいたのは、

●ギャラリーとは、展覧会を開き続けなければならない。

という事実ですね。

そういう業態ですから、仕方ありません。

創作をしながら、物理的に、1人で、どういうスタイルであれば、それを実現できるのかの試行錯誤。

もう一つの課題は、

●作家さんのために、ギャラリーがしてあげられることは、一体何なのか?

ここを考えました。

巷の貸し画廊を見て歩いて思うことは、一週間単位の慌しい展覧会を繰り返し、ネット告知もしていない、名前だけのポストカードが一枚残されるだけの展覧会では、やっても、作家さんのためにならない。

それが、結論です。

嫌まあ、作家ですから、発表することは必要です。

それでも、作家さんが金を支払い、画廊の客になっているということですよね。

作品を展示販売するということは、もう一歩踏み込んだものではないか。それが、個人的な考えです。私は、作家でもあるのです。

おじゃら画廊の場合、もう一つ、立地の事情というのがあります。

北千住という地域性です。

それは、ギンザの画廊とは違った、一つの特徴なのです。

ローカルで展開するというのは、マイナス面もプラス面もあります。

マイナスは何か、プラスは何か。

そこが重要です。

マイナスに悲観するのではなく、プラス面を最大に活かす。

そういう戦略で行くという決断です。

逆に、300件ある画廊と戦うよりも、北千住を中心に、埼玉(草加・春日部方面)、千葉(柏・取手方面)の作家さんを取り込めます。

ギンザは遠いけど、北千住にはよく行くという方は結構多いのです。

通勤定期を持っている場合だってあります。

もう少し資金に余裕ができたら、西新井や松戸の駅辺りに看板広告を出そうと思っているぐらいです。

北千住の駅から、思いのほか近いというのも利点です。

慣れてしまうと、マルイから徒歩2分ですから、ついでによって下さるという方が多いです。

気持ち的には、営業時間が短くて申し訳ないなと思います。

ムリすると、続けることも出来なくなってしまいますから、仕方ありません。

営業時間を延ばすというよりも、土・日に店を開けるほうが価値があります。

日曜日には、ぶらぶらと町歩きをする人が多くいて、ゆっくり展覧会を楽しんで行ってくださいます。

常連さんも増え、入れ替えがあれば、来て下さるという方もでてきました。ギャラリーというのは、まず、頻繁に足を運んでいただける仕組みづくりからスタートしなければなりません。

村上画廊の村上さんは、『買った人しかリピーターにはならない』と教えて下さいました。

まあ、きっとそうなんだと思います。アタシも、あそこには、いいのがあって、買える範囲の品なら、買いたいという気持ちで訪ねるからです。

あとは、他の画廊から回収した作品を見せびらかしに行くという楽しみもあります。

他の画廊で買った作品を、別の画廊の人に見せるというのも変だなあと最初は思いましたけど、今はそうは思わないですね。買うことにも、見せることにも慣れたのだと思います。

売る側の人は、お客様が、一体どんな作品を、いくらで買ったのかをいつも知りたいと思っているのです。

貸し画廊として、毎週、借り人を探すという作業は、思いのほか時間を要するということが解りました。

お金を稼ぐというのには、その金額に比例したエネルギーというのが必要になるということです。

ですから、こちらとしても、ガツガツと稼ぐのか、自分の創作を優先するのかというところが分かれ道です。

とりあえず、一ヶ月単位の展覧会を計画して、人を集めたりもしてみました。

私の個展、私のコレクション展を開き、そのあと、足立の画家・作家展というのを開催しました。

区内の作家さんが協力してくださり、作品を出して下さいました。

ありがとうございます。

そのときに気づいたのは、1週間単位で、この作業(入れ替えや、募集、告知作業)をするのは、1人ではムリということです。

展覧会の準備は、6ヶ月ぐらい前には始めたいです。

そうすれば、準備した刷り物や、ポストカードは、順調に消化され、告知は結構行き届くというのが解ったからです。

ギャラリーには来たことなくても、ポストカードは全部持っているという人だって、いるに違いありません。

それぐらい、北千住では、珍しい品物なのです。

鈴木進次さんの展覧会では、100名以上の知人の方が集まってきました。

もう20年以上も会っていないとか、そういう人も、みんな祝福してくださり、遠くから足を運んで下さったのが印象的でした。

鈴木さんと、お友達の方は、ギャラリーで、ゆったりとした時間を過ごしていました。

こういう展覧会が、いくつも開かれるといいなあと、本当に思いました。

そのあとは、アタシの新作発表の展覧会を一ヶ月程開き、年末年始は休みにしました。

1人でイロイロとやっていると疲れきっちゃいますから。

その間、次の展覧会の準備をしました。

1月・二月のにゃんこ大集合展の、そのあとの企画を立てなければなりません。

2-3ヶ月程度の準備では、たいした告知ができないので、もっと、早い時期に、次の決断をするべきなのです。

作家さんも、テーマが解っていれば、早い時期から構想を練ることが出来るし、作品の準備もできるのです。

作家さんが沢山作品を寄せて下さると、展覧会も盛り上がりますし、留守番もしてくれて、アタシの個人的な負担が軽減され、その時間は、創作に当てることができます。

そんなこんなで、画廊企画の展覧会を4週単位で計画し、作家さんを早い時期から募集するという案で、あと二年ぐらい、ギャラリーを運営してみようと思います。

貸もやらないということではありませんが、希望者は、借りられる日程が、先になるということです。


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