しゃぼんだま あおいそら 
(ブログ by 芸術家 おじゃら りんご)

◆ 5762 ★ 結婚したいのに ◆

2022.2.3.

元の記事

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3組に1組が離婚し、事実婚や夫婦別姓など、結婚のあり方が多様化している時代。現代の若者たちはどのような結婚を求めているのでしょうか。


家族社会学が専門の山田昌弘さんにお話を伺うと、結婚したくてもできない人たちの現状が見えてきました。

「好きな人と結婚」が羨ましい若者たち
── 山田さんは、現代の日本は結婚したい人が結婚できない「結婚困難社会」と称されていますね。


山田さん:

20歳-39歳の未婚の男女のうち、9割近くの人は「結婚したい」と考えていますが(※1)、2020年の国勢調査によると、50歳時の未婚割合は、男性が約27%、女性は約16%(※2)に上ります。


この数字を元に推計すると、今の40歳未満の若者の男性の約3割、女性の約2割は、一生に一度も結婚できない可能性があるということです。

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結婚したいのにできない理由はなんでしょうか。


山田さん:

経済的な問題ですね。


結婚は、男性にとっては「人生のイベント」のひとつですが、女性にとってはいまだに「生まれ変わり」なんです。


多くの女性は、今の生活よりも経済的によりよい生活ができる結婚を望みます。


しかし、現代の日本社会は正規雇用と非正規雇用の人の経済格差が大きく、一度レールを外れるとそこから挽回するのはなかなか難しい。限られた経済力のある男性に多くの女性が群がり、それ以外の男性は選ばれにくいのが現状です。


結果として、争奪戦に敗れた女性と、経済力のない男性は結婚できないことになります。


── 最近は働く女性も増えています。経済力のある女性なら、そのセオリーに当てはまることなく結婚できるのではないでしょうか。


山田さん:

それがそうでもないんです。


女性は、自身の経済基盤に関わらず、今より経済レベルがアップする結婚を望む傾向がありますし、現状では、働く女性の5割以上が非正規雇用です(※3)。


どんなに好きな相手でも、経済的に不安定な状態で、結婚し子どもを育てるのは絶対にいやだと考える女性が多いのは無理もないことでしょう。


僕の教え子の女子学生たちは、眞子さまのご結婚を「羨ましい」と言っていました。「お金の心配をしないで、好きという気持ちだけで結婚できるなんて羨ましい」と。これは「好きという気持ちだけでは結婚できない」現代の若者を象徴する発言だと思いました。

結婚を選択できる大人にするには
── 最近は結婚しない人も増えていますよね。わが子は将来どうなるのかな、と考えてしまいます。


山田さん:

欧米には“パートナーがいることが幸せ”と考えるカップル文化があります。対して日本にはそうした文化がないぶん、「おひとりさま」が生きやすい。性欲処理も含めて、ひとりで生きていこうと思えば、それなりにやっていけます。


たとえばキャバクラは日本特有の文化で、ドイツから来日した記者に説明するのに苦労しました。


彼には「なぜ女性と話をするのに、高いお金を払わなければいけないのか」が理解できない。「女性と話がしたいなら、バーへ行ってお客の女性を探せばいいじゃないか」と言うんです。


カップル文化のなかで、子どものころから異性とのコミュニケーション力を鍛えている欧米人と、何もしなくてもいつかは結婚できるだろうと思って大人になる日本人の違いは大きいですね。


── 子どものころからの教育や環境も大切なんですね。“結婚したければできる”大人になるにはどうすればいいのでしょうか。


山田さん:

男性でわかりやすい指標は、やはり正社員になることでしょう。


婚活市場では、男性は収入の高さで格づけされてしまい、それを乗り越えるのはほぼ不可能。収入が低い男性は、収入の高い男性と比べると大きな不利益をこうむっています。しかも、収入が低いのは自己責任として放置されている。それがいまの日本社会の現実です。


一方、女性の場合は、結婚相手として経済力は問われません。


男性は、結婚相手を経済力ではなくて、自分の好みで選ぶ傾向があるからです。むしろ最近は「自分を選んでくれればどんな相手でもいい」という男性が増えていますから、女性は選り好みをしなければ結婚できます。


ただ、離婚のリスクなどを考えると、女性自身にも経済力があったほうがいい。娘には「手に職をつけさせたい」と考える親が増えているのは、その表れといえるでしょうね。


男女ともに、経済力がなければ生きづらい社会になっていますが、経済力を自己責任でカバーするには限界があります。


国には、正規雇用と非正規雇用の格差を是正し、中間層への手当てを厚くするなどの政策が求められると思います。


PROFILE 山田昌弘さん

中央大学文学部教授。専門は家族社会学。著書に『結婚不要社会』(朝日新書)、『パラサイトシングルの時代』(筑摩書房)ほか。「婚活」「格差社会」などの言葉を浸透させた。

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