しゃぼんだま あおいそら 
(ブログ by 芸術家 おじゃら りんご)

◆ 4971 ★ レオ・レオーニ ◆

2021.1.3.

スイミー。

レオ・レオーニさん作。

教科書にも載っている有名絵本。

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ある日、スイミーが仲間たちと遊んでいると、

「恐ろしいマグロが、お腹すかせて、ミサイルみたいに突っ込んできた」

スゴイ速さでマグロは、赤い魚を呑み込んだ。

生き残ったのは、スイミー一匹だけ。

怖かった、とても悲しかった。

けれど、海には、素晴らしいものがあった。

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おおっ。手法は、レースなんかをスタンプ状にしたものとか、魚もスタンプ、

タオルなどを丸めて、絵具をつけて、ポンポンしたり。

魚などは、別な紙に作った絵をカットして、貼り付けているのかな。

スイミーの海の模様は、ガラス板の上に絵具を起き、紙に転写する。

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海藻の模様も、レースペーパーに絵具を塗、転写。

魚も、魚型の紙に絵具を塗り転写している。なるほど。

この方法だったら、物凄い速さで作れるよね。

マチエールが、スゴイ、独特だよね。

〇間接的に絵を仕上げるということを、感覚的にやっている。

このような軽やかな質感は、絵具に絵具を重ねる(手数を多くすればするほど)と、どうしても絵が重くなってゆくのを防ぐ目的。水中の透明感が良く出ていて、結果的に、軽やかな完成度に仕上がっていると思う。

何よりも、見ていて楽しいのが良い。

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作者が込めたメッセージ

大戦後のアメリカ、

個人事務所を構えるほどの売れっ子デザイナー。

ユネスコや、MOMAなどの顧客を持ち、デザイナーのトップキャリア。

はじめての絵本は、47歳の時に手掛ける。

あおくんときいろちゃん

抽象絵画だけで作られた初めての絵本。

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生涯で37冊の絵本を手掛ける。

それぞれが、異なる独自の技法で作られる。

 

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絵や彫刻、音楽を愛する芸術家。

オランダアムステルダムで、ユダヤ系の家庭に産まれる。母はオペラ歌手 叔父は芸術家。

ヨーロッパ、アメリカを転々とする。

ミラノでクリエイターとしてスタート。

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ナチスドイツによる、ユダヤ人への弾圧。

スイミーのマグロは、ナチスドイツ。

赤い小魚は、ユダヤ人たち。

スイミーは、黒い色で自身(レオ)のことを示している。

レオは、アメリカに亡命し、その後家族も呼び寄せ、デザイナーとして活躍する。

アメリカでも、非公開の、人種差別に関する作品も残していた。

差別を黙認する社会への深い憤りがあった。

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万博で、ライフのパビリオンのアートディレクターを担当。

望まれる未来 というテーマのパビリオンに様々な人種の子供達が輪を作って踊っている写真を展示したのに対し、人種差別者からクレームがついて、パビリオンは閉鎖されてしまう。

世論のニーズに合わせなければならないというデザイナーという仕事に疑問を感じ、アーティストとして、世界に自分の意思を発信するツールとしたのが、絵本であった。

絵を描き、彫刻を作りながらも、一年に一冊のペースで、絵本を作り続けた。自分独自の芸術を未来ある子供達に伝える手段でもあった。

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スイミーには、「私の芸術の原則」が詰まっている。

 

芸術の原則

みんなが一匹の大きな魚みたいに泳げるようになったとき、スイミーは

「僕が目になろう。」

と申し出る。

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目になったからといって、スイミーが偉くなったわけではありません。

ただそれが、芸術家としての彼の役割なのです。

人には平等に個性や、果たすべき役割があり、他の人に見えないものを見る事こそ、芸術家の役割なのだと。

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ガラスを使った、モノタイプ風の創作活動は良いわね。早いし、透明感が出るし。

今度やってみよう。

 

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