しゃぼんだま あおいそら (ブログ by 芸術家 おじゃら りんご)

◆◆◆ 2961 ★ 「茶の本」 ◆◆◆

2017.4.24.

「茶の本」 岡倉天心 より

茶室に於いて、草ぶきの屋根、細い柱の弱弱しさ竹の支えの軽やかさ、さては、ありふれた材料を用いて一見いかにも無頓着らしい所にも世の無常が感ぜられる。

中略

茶室はある個人的趣味に適するように建てらるべきだということは
芸術における、最も重要な原理を実行することである。

芸術が十分に味わわれるためには、その同時代の生活に合っていなければならぬ。

それは、後世の要求を無視せよというのではなくて、現在を尚、一層楽しむことを務むべきだというのである。

また過去の創作物を無視せよというのではなくて、それを我らの自覚の中に同化せよというのである。

伝統や形式に屈従することは、
建築に個性の現われるのを妨げるものである。

現在、日本に見るような、様式建築の無分別な模倣を見てはただ涙を注ぐほかはない。

我われは不思議に思う。


最も進歩的な西洋諸国の間に、何ゆえに建築が、かくも斬新を欠いているのか。かくも、古臭い様式の反復に満ちているのか。

中略

数寄家という言葉は、道教の万物ホウカンの説を伝える他に装飾精神の変化を絶えず含んでいる。
茶室は、ただ暫時、美的感情を満足さすためのものを除いては全く空虚である。

何か特殊な美術品を臨時に持ち込む。
そしてその他のものは、全て主調の美しさを増すように選択廃合せられるのである。

人は色々な音楽を同時に聞ことはできぬ。

美しいものの真の理解は、ただある中心点に注意を集中することによってのみ、できるのであるから。

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天心先生。勉強になりました。(* ゜▽ ゜*)ノ

 

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