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◆ 石洞美術館総力取材! ◆

新企画

足立区初の美術館が誕生したというニュースを聞いて、早速行ってきました。

2006年4月からオープンしていたなんて、全く知らなかったです。

どうして誰も教えてくれないんでしょうかね?

名前は、石洞美術館。

現在展示されているのは、「東西文明の対話」というテーマで、「安藤広重」の
千住大橋の錦絵や、海外の土器や陶磁器などだそうです。

開設したのは、千住金属工業(株)の佐藤会長さん。

足立区千住橋戸町23(京成千住大橋駅下車徒歩約4分)/
開館=午前10時〜午後5時(ただし入館は4時30分まで)/
観覧所要時間=30分〜1時間/
入館料=大人500円、学生(中学生以上)300円、65歳以上、身障者、小学生以下無料/
休館日=月曜(ただし祝祭日となる場合はその翌日)、またお盆を含む夏季休業期間および年末年始等/
問合=【TEL】03-3888-7520

私も、早速足を運んでみました。

千住大橋駅を下車し、千住大橋方面に向かいます。

橋の手前に交番がありますので、そこを右折、

正面に橋戸稲荷神社がありますので、そこを右折、

次の角を左折した、オレンジ色の2棟の建物の奥が美術館です。

今回の展示品は、「東西文明の対話」

年末まで、この展示は続くそうです。

入館料は500円です。

こちらは、美術館のエントランス。

小さいロッカーもあります。

今日は、2時間程作品を拝見しましたが、ほとんど貸切状態で驚きました。

まだ、知らない人が沢山いるのだと思います。

千住大橋下の警察署の人も知らなかった位ですから、もう少し、近隣の知名度をアップさせるような活動もされると良いのではないかと感じました。

中は、撮影できませんでした。

何でも、六本木ヒルズを建築した建築事務所さんに、美術館の設計をお願いしたらしく、立派な建物でした。

特に目を引くのが、二回まで登るバリアフリーとなったスロープ。

壁面には展示物があり、随分と工夫された作りだと関心しました。

空調・照明などにも作品への配慮が行き届き、本当に収集物を大切にされているのだというのが伝わってきました。

入り口には、小さい喫茶ルームがあり、体に障害のある方の雇用の場となっています。

佐藤会長さんは、本当に立派な方だと思います。なかなかできることではありません。

カフェは、ガラス張りで光が良く入ってきて、居心地の良い場所でした。

一生懸命に働いている障害者の方を見て、仕事があるということがどんなに有難いということなのかを感じました。

美術館を訪ねた方は、是非、カフェにも立ち寄って、軽くお茶してゆきましょう。

こういっちゃ申し訳ないですけど、「私設の美術館なんて、(どうせたいしたことないだろう)ふふっ。」

とまあ、そういう気持ちでしたけどね、館内及び、中の展示物を見て気絶するかと思いました。

アタシは、最近では書や陶芸の展覧会にも足を運んでいて、あらゆるものを大量に見ていますからね。何を見ても、そんなに驚いたりはしないのです。

館内及び、展示物の撮影は禁止でしたので、収蔵品は、アタシの下手糞なスケッチでご勘弁下さい。

こんな感じのが展示されているということで、(正確には、アタシが特に気に入った作品や、創作のモチーフになりそうな文様を書きとめています)この品をご参考に、実物をご覧になるのがヨイと思います。

この左の女性は、「唐加彩婦女よう」

会長さんのお気に入りのようで、グルグル回る台に乗せられていました。

たぶん本物だと思います。

アタシは、この女性像が、物凄く高いということを知っています。

ふっくらとした女性のお顔と、お顔から肩・背中にある色気や気品、衣装から飛び出た履物など、本当に美しい作品でした。(たぶん、相当古いっすよ。)

 
こちらは、焼き物です。

左は、薄緑の文字(コーランだと思う)が描かれていて、丸い模様は赤で描かれています。

独特の世界が広がり、私は、どんどんとその皿に引き込まれてゆきました。

右側は、鹿の絵が描かれた皿。

外側は花びらのようなデザインで、少し深い鉢です。

描かれた鹿には動きがあり、味わいがありました。

こちらの品物は、山羊を型取ったトックリのような品です。

花瓶じゃないと思いますけどね。

ミルクとか、酒とかを入れたんじゃないっすかね?

こげ茶色の陶肌に、白い文様が潔く、存在感のある作品でした。

土偶の類も何体も展示されていて、興味深かったです。女性のヌードのコレクターの私としては、この作品はスケッチをしないという選択がなかったです。

こちらも、女性像。松本零二センセイのマンガに出てくるキャラクターにかぶるよなあ。

この皿の模様は、素晴らしかったのだけど、細かすぎて途中で挫折しました。

少しクリームかかった白い地に、金色で描かれた花模様が皿一杯に広がり心が惹かれました。

左側は、銅製の高炉。毅然とした立ち姿や、エジプト風の表現に、いつまでも見とれました。

右側は、埴輪です。

私のお気に入りは、なんといっても、この阿弥陀様。

薄く笑っていらっしゃり、小さい作品ですが存在感がありました。

こちらも埴輪です。

右側は鳥の埴輪。

どちらもデザイン的に優れていて、作ってみたくなります。

こちらは、仏教圏で買われたと思われる佛頭。

力のあるお顔に心が安らぎます。(似てません)

こちらは、入り口付近にある菩薩立像

石造のお顔は優しさと強さに満ち溢れ、心が洗われました。

この作品を見ただけで、私は、収集した方がスゴイ目利きなのだということが解りました。

美術館のスタッフの方によると、佐藤さんは、若い頃から世界を歩き回り、骨董収集を続けてこられたのだそうです。

これだけの品をお持ちというだけでなく、良い品を安く買い求める鑑識眼をお持ちだということに他ならず、収集家の王道だと思わされました。

良い品を安く買い集める。

これが、収集家としては、最上だという意味です。

何を意味しているのかといえば、誰も気づかなかった作品に潜む美に最初に気づき、手に入れることができる力を持っているということです。

佐藤さんの場合、コレクションが充実してきて、ある時、美術館にしようという目標に、収集目的がシフトしたのだと思います。

それ以降は、展示を目的に、破損の無い状態の品なども、どんどんと買い足して、収集を昇華させていったんじゃないかなと推察します。

佐藤さんはまた、骨董に関する本なども出されているのだそうです。

今回の展示品は131点。

会長さんのご自慢は、8世紀のガラスの器です。気持ち的には、古すぎて、形が良く解らないという品ではありました。昔のガラスは、温度調節が難しかったということもあり、ガラス質の不純物を取り除けなくて、味があるんですよね。「ウッソー」という感想。

朝鮮時代の青磁の器にはビックリしました。たぶん、本物だと思います。

薄いグレーグリーンの色の中に、細やかな白い花模様が広がり、溶け合っている優美な姿からは、オーラが出ていました。

例え、レプリカでもいいから、一生に一個位は持ってみたいものだと思えてきます。

お高いので、手近な所で、拝み倒しましょう。

美術館では、収蔵品の名前や、時代などが書かれたチラシのような資料を頂けます。こちらで公開してよいのか判断がつかなかったので、美術館でもらってください。

自称目利きの皆様、鑑定団ごっこが楽しめます。笑。

中島センセイの陶芸の本を持参し、写真と見比べましょう。みたいな質と量。

個人的には、陶芸収集などがお好きな筋系の方に行って欲しいと思いますけどね。

良い品を見せていただいて、よい一日となりました。

この展示内容で500円は、私的には安いと思います。

多くの方が、身近に良い品に触れる場所と時間を提供してくださり、心より感謝します。

お近くの皆様、必ず足を運んでみてください。