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コラム 収集と私

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大学時代、バブルの絶頂期だったこともあり、リトグラフが100万円以上することも普通でした。

学生時代は、大学が御茶ノ水にあったので、神保町の画廊を流してあるいて、版画を見て歩きました。

そのころは、まさか、収集するとか、自分が芸術家を目指そうなんて、これっぽっちも思っていませんでしたけど、絵を見て歩くのは楽しかったです。

作品には相場というのがあるのです。

そういった相場感というのは、売買されている絵を見て歩き、実際に売れている作品を知ること意外から学ぶことはできません。

当時のアートマーケットは、当然に今とは違います。

私はこのあと、10年ほど絵から遠ざかり、ハードワーカーとなり働きました。

絵を見て歩くこともできないぐらい、働いていました。

絵の初心者らしく、当時は、まだ、風景画が好きで、オギスの展覧会などを見に行きました。

私が大学時代、オギスはまだご存命で、私は、20歳の誕生日の記念に、サイン無しのリトポスターを求めました。

そのあと、もう一枚も続けて購入。

それが、私が絵を買った最初の思い出です。

バブルが崩壊したので、会社を早期退職し、バリ島、芸術の村(ウブド)というところに移住しました。

3年半、クロッキーに通い、沢山の裸婦を描きました。

ウブドには、画家が沢山住んでいて、観光客向けのみやげ物のアトーギャラリーが点在していました。

滞在中仲良くなったバリ人にも、画家が何人もいます。

バリ島では、有名美術館でも、展示品に見えるをスタッフが勝手に売ってしまったりもするという、恐ろしい管理体制でした。

まだ生きている画家の絵だったので、違うものと差し替えたりするのだと思いますが、夫婦連れで行くと、いつでも必ず絵を売りに来られ、次に行くと、私たちが買った絵と似た絵が何枚も並んでいるのにも驚いたものでした。

美術館に展示されている作家作品を何点か購入した私たちは、バリの家でそれを額に入れて展示していたのですが、日本に帰国するときに、その大きな絵は、持ち帰るのが大変でした。

私は何とか持ち帰ったのですが、大きすぎて、結局実家には飾れず、アトリエがオープンしてから、やっと壁にかけることが出来ました。

日本の住宅事情や、アートを飾る環境というものは、ホントウに厳しいなと思います。

私の絵を見に来る人も、「お金はあるけど、飾る場所がない」と、かたくなに、絵を買わないという強い意志で、やっとの思いでギャラリーに入ってくる人が何人もいるのにも驚かされます。

バリ島から帰国して、私は、再び、銅版画教室に通い始めます。

向学のため、ヤフーオークションにて、何点かの作品を購入したこともありました。

そのほか、銅版画教室のお弟子さんと交換したりもして、アートマーケットなどで、小品を買ったりしながら、収集作品は、少しずつ増えてきました。

その後、絵の買い方がわかってきて、画廊のことや、展示品のこと、美術商や美術品とそれ以外の作品の違いなどの理解が一気に進んできました。

やはり、作品というのは、買って持たないと、絵を描いているだけでは解らないことが沢山あるのだということがわかりました。

もし、このコラムをお読みになっている方が、作品を作られる方なら、一つでいいので、絵を買ってみてください。

その、絵を買おうというエネルギーがどれだけ大きなもので、また、決断に至るまでの過程や、決心し、サイフの口を開いてもらうということの大変さが理解できるようになるはずです。

同時に、自分の絵がどうならなければならないのか。

そういうことも、学べるはずなのです。

帰国後、雑誌の表紙イラストでイラストレーターとしてデビューした私は、地元の公共ポスターなどのカンタンなデザインも手がけるようになり、僅かながら収益を得るようになってきました。

絵の具や画材を買い、残りのほとんどは収集に当てていた時代がありました。

そのときの作品は、今でも私の宝物です。

2007年に、地元北千住に、小さな貸し画廊を開くことになり、今はそちらにお金が出て行ってしまうので、なかなか買うのが難しくなりましたけど、私は、信じられないぐらい安い値段の作品で、優れたものを、コツコツと増やしてきています。

ギャラリーには私のコレクションのコーナーもありますから、ご興味のある方は、ぜひ見にいらしてくださいね。

→→→ コラム コンテンポラリーアートと私

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