■■ 026 ★ 展覧会の方針 ■■

2008.9.29.

最初の一年が無事に過ぎ、画廊経営をどうするのかというのを、考え直すことにしました。

まず、一人で画廊を経営しなければならない。

留守番している間には、自分の小品やドローイングを作る。

それが、このお店の目的です。

一週間に一度の展示替えとか、お客様を集めるという営業活動も、頑張ればできなくは無いと思うのですが、絵を描く時間は無くなってしまいます。

そんなもんで、2週から、1ヶ月に一企画程度のスケジュールを組み、そのテーマで、作家さんを集めることに方向を転換しました。

私は、自分の絵が売れれば、それが一番ヨイわけで、作家さんからそんなに頂く必要はないのです。

ただ、お店を営業していれば、最低限のコスト(家賃や光熱費)はかかりますし、印刷物や広告は、ある程度は出さなければなりません。

そういう費用だけは、負担していただきたい。

という営業スタイルにシフトすることにしました。

多くの現代系の画廊さんは、会期が物凄く長いのです。

いつ行くっても、客はアタシ一人というのは、貸画廊と変わりませんが、企画画廊さんの場合、どんな値段であっても、それなりに、作品が販売できているというところはスゴイなと思います。

販売ができれば、ギャラリーとしては儲かるわけですからねえ。

販売できる作品を作れる作家さんを見つけられるかどうかという話になります。

それはそれで、作家さんの取り合いでもあり、お客様に気に入った絵を描かせたり、展覧会をし続けたりしなければならず、経営のエネルギーが必要だということになります。

もう一方、画廊で展覧会を開いてみたくても、話も聞いてもらえ無かったという話も良く聞きます。

まあ、それは、たまたま行った画廊が、貸画廊ではなかったのだと思います。

何枚か作品を買い進めば、画廊に入ったときに、貸しなのか、企画なのかも解るようになりますけどね。

見ているだけでは、一生解らないんじゃないかなと思います。

いきなり個展を開こうなどと思わず、まず、グループ展からスタートするのが、展覧会初心者には一番だと思います。

画壇の公募に応募するというのも、ある種の展覧会ではありますが、実際、作品を販売したり、価格について考えたりするのには、公募よりも、貸画廊でのグループ展に参加するのが一番と思います。

画廊主としては、自分の画廊をどうしたいのかを考え直すことになりました。

大切なことは、作家さんに、販売体験をしてもらうということなのです。

商学道的に言えば、『自分の作品が販売できた。』

この経験値は、作家さんにとって、物凄く重要だということになります。

そんなもんで、小さい作品を作ったり、値段をつけたり、グッズを作ったりして、販売してみる。

そういう体験の場ができる画廊というコンセプトでいいんじゃないかと思います。

販売するのは難しいですけど、値段と作品次第です。

出入りの作家さんで、結構販売している方も出てきていますし、作品のレベルというのも、上がってきているなと感じます。(展覧会の企画にもよりますが)

おかげさまで、常連作家さんが増えてきて、そのことは、大変ありがたいと思っています。

お留守番の方法や、コーヒーの入れ方、パンフレットに掲載する、画像の早期提出など、全てが、ヨイ方向に流れています。

参加作家さんも、少しずつ増えつつあり、別段、儲かっているということでもありませんが、営業を続けられる環境が整いつつある感じです。

何よりも、参加される作家さんの作品の力が、一年ぐらいでも、物凄くあがってきていることが、一番の喜びかもしれません。

人の絵が上手くなっても、自分の絵が上手くなるわけではありませんからね。

個々に、頑張らなくてはならないということになります。

作家さんによっては、チョイス展に入選されたり、お仕事増やしたり、大きな展覧会に出されたり、そういう報告を頂いたりもします。

どの人も、頑張っている。

力が上がって、もっと、作家さんが、作家として、ヨイ方向に進める画廊になれれば、それが最大の喜びだと思います。

別に、アタシがどうこうしたから、作品が良くなったわけではないんです。作家さんが、個々に頑張ったから、その結果が、また、作品に現れた。

そういうことです。

私のところは、低価格の貸画廊のままで構わないのです。

作家さんが、力を上げて、一流の企画画廊に巣立つ画廊になるといいなと、最近では思うようになりました。

自分が企画画廊になるのは、金銭的に、まだムリということもあるし、自分の絵をよくするのに、そのエネルギーを使いたいです。

絵というものは、良い絵とは何か、マーケットが求めている絵とは何かを理解すれば、どんどん良くなってゆくものです。

もし、良くならないとすれば、情報や理解が間違っているんです。

ただ、自分ひとりでは、そういうことの整理がつかないなと思います。

アトリエではなく、ギャラリーになり、人の出入りが多くなり、作家さんとの情報交換が、ずっと深くできるようになったことは、ホントウにヨカッタなと思います。

どんな画廊なのか。気になる方は、是非、エントリーして、搬入・搬出日に、他の作家さんとお話を楽しんでみてください。

自分には無い作風に触れたとき、新しい表現に触れたとき、自分もまだまだ、成長できることもあるなと思います。

画廊任せで、展示、展覧会が、上手くゆくはずがありません。

あくまでも、自分も頑張る。良い作品になるよう、ヨイ作品とは何か、自分の作品とは何か。

それを考える時間が持てる展覧会になるといいなと思っています。

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