もう、家に飾っている絵をご紹介しつくしたので、 |
◆◆◆ 絵の価値と値段 ◆◆◆ 絵の価格というのは、イロイロな要素が組み合わさっているみたいです。作家のネームバリューという部分は、ここでは、除外して考えます。話がややこしくなるからです。 作家の名前以外で、絵の価格に反映する要素は、やはり、耐久性なんじゃないかと思います。 その絵が、何年位、展示が可能なのかという『状態』です。 油絵は保存の状態がよければ、何百年も、色褪せなども無く、展示ができるらしいのです。 アクリル画というのも、作品の完成後の耐久性を重視して開発されています。新しい画材なので、まだ、何年位耐久性があるのか、テスト中という部分もあるという話も聞いたことありますけど、ハイテク技術が駆使されているので、油絵と同程度の耐久性があるのじゃないかと言われています。 日本画の絵の具というのも、長期的な耐久力があるようです。何百年も前の絵なのに、未だに美しい色を残している作品も数多く現存しています。それが、そのまま絵の価格につながっているのです。 ですから、保存状態の悪い絵とか、色が退色したり、紙が焼けてしまっていたりしている絵は、安価になってしまいますよね。(→鑑定団で放送されている通りです。) 水彩画や、パステルなどの作品は、油絵などよりも、耐久性が悪いことが明らかですから、それが、そのまま絵の値段に連動しているのです。 カラーインクなどは、もう、インクジェットで印刷したのと同じくらいに退色するらしいですからね。色がキレイなんですけどね、あまり使われないんですよね。 |
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◆◆◆ 何に描かれているのか? ◆◆◆ 耐久性を考えるのには、何に描かれているのかを知るのも大切になります。 同じアクリル画でも、紙に描いた作品は、カンバスに描かれた絵よりも、耐久性が弱いと考えられています。 紙に描かれた作品は、何百年も展示していると、紙の色が焼けたり、紙が酸化して、絵の具の色褪せが起きたりして、作品が劣化してきます。 カンバスは、紙と比較して、絵の品質が変質しにくいのです。ですから、カンバス作品の方が、紙の作品より値段が高いのです。 紙の作品と、カンバスの作品に、どのような違いがあり、どちらを買えばいいのか? と聞かれることは多いので、一応知っていることは書いておきました。ご参考になればと思います。 そのほかにも、木とか、ガラスに描かれた絵もあるみたいです。どんなモノに描かれていたとしても、耐久性の面から考えれば、絵の価格を理解しやすくなると思います。 ガラスに描いた作品は、壊れたらおしまいですよね。初心者は、面倒な気配りをせずに、気軽に飾れる、紙やカンバスの作品にしておいた方が、いいんじゃないかとは思いますけどね。 |
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◆◆◆ バリの作品には要注意 ◆◆◆ バリの場合、紙の作品には、特に注意が必要です。 多くの画家さんは超貧乏なので、ちゃんとした紙を買うことが出来ないのです。優れた腕を持ちながら、安い紙に描いた作品も大量にあります。それが、驚く程、質の悪い紙なんです。 また、厚めの紙に描いているようでも、ダンボールに描いていたりします。それが悪いワケではありませんが、ちゃんとした紙に描いた作品に比べると、価値は落ちるんじゃないかと思います。バリのダンボールって、信じられない位粗悪ですからね。ムシついてたり。 粗悪といえば、カンバスだって、粗悪です。せっかくの力作で、カンバスに描かれているように見えても、それが薄っぺらい布だったりしますからね。信じられない位薄い布に、ペンキなどを塗って、絵の下地を作っています。ちょっと壁に引っかかったりすると、絵が裂けちゃうんじゃないかと思いますね。 ですから、絵の耐久性から絵の価値を考えるのであれば、バリ人の絵に関しては、カンバスであっても、信用してはいけないってことですね。 もっと厚い布を買えばいいんですけど、それが買えないんですよね。貧乏なんです。ちゃんとしたギャラリーに置いてある作品でも、そいうのはありますね。ま、安いですから仕方ないんですけど、アタシ的にはせっかくの作品なのに、もったいないなという気持ちになります。 外国人が描いた作品なら、もうちょっと、マシな布に描いているんじゃないかと思いますけどね。それは、絵の耐久性に関する知識に差があるからだと思われます。 ちゃんとしたアーティストなら、自分の作品を何百年も先まで残せる材料を利用して描いているはずです。自分の作品が、何百年も後になっても、いいコンディションで残っていて欲しいですからね。何百年後の事も考えて画材を選んでいるという方も知っています。 バリ人のアーティストには、その辺の情報や、絵に対する知識が不足しているように思えます。 どんな布に描かれているのかが気になったら、ご自分で、絵の裏もチェックすることですね。品質を納得の上、買うことが大切だと思います。 バリ島の絵画が、優れているものもありながら、世界的評価が低いままなのは、原材料の粗悪さも原因となっているとアタシは考えています。 |
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◆◆◆ 値段に直結するその次の要素 ◆◆◆ 次に考えるのは、製作時間ですね。 バリの伝統的絵画の多くは、細密画ですので、作成するのにスゴイ時間かかるんです。3ヶ月とか、6ヶ月位かかる作品もあるらしいです。 それは、素人でも絵をよーく見れば解ります。 ポンゴセカンスタイルの絵なんかは、大きくても、割に早く完成できるんじゃないかと思います。でも、細かい、美しい絵もあるんです。 そればっかりは、自分でチェックしていただかないとね。アタシには何とも言えません。 単純に考えていただければ解ると思いますけど、絵が一日で作れる場合と、三ヶ月かかる場合の価格は、当然に変わってきます。 三ヶ月かけた絵は、三か月分の給料相当の価格にしないと、生活ができないからです。 絵の製作時間というのは、作家さんによって違うんです。 ただ、参考にするとすれば、この絵の値段が、5万円と言われた時に、アナタは、絵の細かさや、製作時間を想像して、妥当かどうかを判断することができるわけです。 ポンゴセカンスタイルの絵が、一週間で完成して、一万円で買えるのだったら、UBUDスタイルの絵は、三ヶ月かかるわけですから、単純に12万円じゃないと売りたくないということになりますよね。 絵の価格は、そういうことでも決められることがあるということです。 でも、今回は、あくまでも、アナタが、ピピっとくるかどうかが優先されます。アナタの自腹なんですからね。気に入ったのを買いましょう。 |
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◆◆◆ 量産品にも注意 ◆◆◆ 絵を沢山見ていると、作家の力の入れ具合というのが、解ってきます。この絵は、気合を入れて描いたなという絵には魂がこもっていますから、絵が輝いているんです。 同じ画家が描いたとしても、安く売るために描いた絵というのと、公募展などの入選を目指して描いた絵というのには、差があるものなのです。 自分の人生の代表作となるような、魂心の作というのが、必ずあるものなのです。しかしながら、そういう絵には、力がありますから、すぐに買い手がついてしまったり、画家さんが手放さなかったりするので、市場には出回りにくいです。 それでも、チャンスはあります。画家さんが、お金に困って現金化したいときとか、画家が亡くなって、家族が生活に困窮して、絵を手放したりするときです。 それと対照的なのが、観光客相手の、粗悪な土産物絵画です。 UBUDの足回りの良いギャラリーには、この手の、粗悪絵画ばかりを販売している所もあります。 アタシは、このような絵は、遠目でも解りますけど、絵の価値が解らない方には、差が解らないんじゃないかと思います。 粗悪な絵画でも、安ければいいんです。2000円程度なら、いいと思います。でも、2万円の価値はゼッタイに無いという品も、沢山流通しています。 こういうときに、どうすればいいのかといえば、買わないことですね。 何枚も絵を見ると、『これはホンモノっポイ』と思えてくる絵にも出合います。多少高くても、ちゃんとしたギャラリーの、力作をお求めになるのがマルだと思います。 ところが、バリには、みやげ物感覚で絵を製造している画家さんも沢山います。とりあえず、ザザーっと描いちゃうんです。もしくは、カラーコピー機などで量産している場合もありますね。 布に絵を印刷して、金色を手で描き込んで、仕上げたりするんです。汚い油絵も大量に売っています。 でも、100ドル程度の値段だと、白人さんは、ホイホイ買ってるみたいですね。自国で買うよりも、圧倒的に安いからです。 アタシは、アナタが、どんな絵を買おうと構いません。 でもね、汚い絵っていうのはさ、飾ってて嬉しくないんじゃないかと思いますけどね。 ま、人それぞれですからね。どーでもいいんですけど。 |
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◆◆◆ ということで、まとめ。 ◆◆◆ ホントウに初めて絵を買うのであれば、紙に描いた作品でも十分だと思います。手ごろな価格の品を一枚買ってみて、飾ってみて、絵のよさが解ってきたら、本格的にカンバスに描かれた絵を探す旅に出るといいんじゃないかと思います。 値段も安いんだから、粗悪な紙やカンバスに描かれていても仕方ないじゃないですか。 しかも、あれっすよね、お客さん。アナタ、300年も生きていられるワケじゃないんですから、耐久性に関しては、深く考えないほうがいいと思いますけどね。知識として、知っておくってことっすね。あくまでも、参考程度です。 それに、10年とか、20年なら、額に入れれば問題なく飾れますよ。間違いないです。安く絵を買いたいと内心思い、店頭では、思い切り値切りながら、300年も飾ろうなんて、間違ってます。 バリの絵には、価値が無いと考え、雑貨程度の感覚でお求めになり、気軽に飾って楽しむというのが、正しい扱い方だと思っています。 バリで絵を買おうかどうか、悩んでいたアナタ。少しスッキリしましたか?そりゃ、ヨカッタです。 |
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◆◆◆ 他に、注意点ってありますか? ◆◆◆ アタシが絵を見るときに大切にしているのは、透明感ですね。 全体を遠目で見たときに、透明感のある絵というのがあるんです。なんか、言葉ではうまく表現出来ないですけどね。 沢山見ると、解ってきます。 透明感のある絵というのには、なかなかお目にかかれないですね。 印象派の巨匠と言われる方々のホンモノの絵の多くは、間違いなく透明感があります。 いい絵を沢山見て、日頃から目を肥やしておくことも大切です。 ああ、スガタ先生の絵とか、下で紹介している、鳥の絵描きさんの絵なんて、透明感あるのもちょっとあるかも。 |
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◆◆◆ オススメのギャラリーってありますか? ◆◆◆ そうっすね。アタシの一押しは、ハノマンから、ニュークニンに行く道の途中で、左側、田んぼの正面にある、小さいギャラリーがオススメですね。(小さいブロック作りのギャラリーで、右側の、鳥の絵ばかりを置いているところです。場所はマップに載せています。) 鳥の絵が鮮やかで、素晴らしいです。 作品の出来を考えると、値段も安いし。 でも、値段が安すぎて、お客さんが帰ってしまうということも多々ありますね。日本の方、値段が安いと、価値が無いと思っているみたいです。絵もちゃんと見ないで、そそくさと帰ってしまいます。 なんだかなあ。三万円の絵を7000円に値切って買っている人に、定価5000円の絵を否定する権利は無いと思うんだけどね。正直な価格設定じゃないですか。 そういうやりとりこそ、見てて、笑っちゃうっす。『値段が高いモノが安くなるということに価値を見出している』ようにしか思えないです。 アタシは、このギャラリーに連れてきて、値段を聞いて、絵をちゃんと見ない人は絵の価値が解らない人なんだろうと思っています。そんな人ばっかですけどね。うふふ。 ま、バリの旅というのは、そんなもんなのかもしれません。 それに、絵の価値が解ったからといって、偉いというワケではありません。 でもね、その程度の知識しか無い人が、安価な絵を買うに際して、不安がるなと言いたいですね。 もう、アナタの思考回路、メチャクチャです。 |
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◆◆◆ 他のギャラリーはどうですか? ◆◆◆ 絵を習う編でもご紹介した、スガタ先生や、ラバ氏、デワバンガローのマデ氏の作品、アタシが絵を置いてもらっているギャラリーの、ロカセニなんかにも、いい絵があります。全ての方の絵もしくはギャラリーは、アタシのHP(一部デワバンガローHP)で紹介しています。ご参考にしていただけたらと思います。 まあ、どのギャラリーも、全部がいい絵というワケじゃないですけどね。他にも、あると思いますよ。ええ。探せば。 ああ、それから、初心者なら、プラノトギャラリーもいいかもしれません。 プラノトギャラリーには、外国人のアーティストの作品も沢山置いてあります。バリの絵とは違い、ポップな色彩の作品も多いです。 ギャラリーだけでは十分でないらしく、ポストオフィスの隣にも店を借りて、絵を展示しているみたいです。こちらには、小さくて、手頃な絵も多くありました。 プラノトギャラリーは、品の無いバリ人の売り子さんに、しつこく売られるということはないですね。絵をゆっくり見れるという点ではいいと思います。 東京の、版画を売っているギャラリーと比較したら、間違いなく格上だと思いますけどね。 アタシの絵を置かせてもらっているロカセニギャラリーでは、アタシの絵は、少なくとも、声を掛けられることなく、ゆっくり見れるはずです。といっても、小さいのしかないですけどね。 |
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◆◆◆ もうそろそろ ◆◆◆ このコンテンツ、終わりにしていいっすか? あたしゃ、少し疲れました。 そういえば、セニワティの女性アーティストのメンバーで、グループ展をやることになりました。 2002年8月2日から8月22日まで、セニワティギャラリーにて行います。 この時期に、バリに来るご予定ある方は、ぜひご覧になってみてください。 作品を販売するのかは、知りません。 アタシも数点、出展する予定です。 間に合うのかどうか、マジ心配です。 こんなこと、ダラダラと書いてる場合じゃないんだけどなあ。 そんじゃ、いい絵、見つかるといいですね。 アタシの絵のことも、チラリと思い出してくださいね。 そんじゃ、よい旅を。 |
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