バリ島 ★ぶうげんびりあ (HTML版)
◆◆◆ 093 / 失敗、裏にも描いてゐる ◆◆◆
|
失敗、裏にも描いてゐる UBUD島で絵を描くというのは、なんとも無謀な事であったと思う。理由は画材が高いからである。 日本と比較してどうかといえば、日本の方が高い。しかしながら、こちらでの物価に慣れてくると、画材は不当に高いような気になってくる。 それは、土産物や、布地や、CDなどが、高いなと感じ、何も買わなくなってくるのと同じことである。 バリ島滞在では、なんといっても『食費』が安いのだ。ハム一枚五十円の日本とは違う。 であるからして、エンゲル係数と比較して、生活必需品以外の品は、何でも高く感じてきて、だんだんとケチるようになって、自然と貧乏臭い生活になってしまうのだ。 バリ島で最初に困ったのが紙。安価なスケッチブックや、安い紙を試してみるが、イマイチである。紙というのは、絵にとっては、かなり重要なのである。特に、水彩絵の具で描く場合には、絵の具が美しくにじんだり、絵の具の発色をそのままに留めてくれる紙でなければならない。 画材店で買う水彩紙は、日本で買う紙の二倍程度もする。げげっ。このお値段では買えないっす。 次に試したのは、シンガポールに行ったときに、紙を大量に仕入れるという方法だ。ちょっと厚めの紙で、一枚四十円程度。これを半分にカットして使う。これはなかなかいい感じだ。しかしながら、水彩画用な紙ではないため、クレヨンで描く事になる。クレヨンであれば、色をにじませたり、塗った後でも、発色が悪くなったりしないからである。 しかし、絵を描きまくると、紙は無くなってしまうのだ。紙を買うためにシンガポールに出るワケにはゆかない。 失敗すると裏にも描いてみたりもする。両面失敗すると、その絵はやっと役目を終えて、捨てられるのだった。 バリで手に入る紙も、また試してみる。シンガポールで四十円程度で買える厚めの紙は、こちらでは、百二十円位してしまう。高すぎだろう。 とりあえず、一枚十四円の紙に描く事にする。A3の倍位の大きさの紙が、百枚束になっているのを全部買い、これを、縦長や横長に半分にカットして、デッサンに使うことにしたのだ。 一枚を二枚にカットして描くので、紙のコストは、一枚7円ということになる。まあ、売る品ではないので、この程度の値段が妥当だろうと思う。 安い紙は、描いていても調子が乗らないというのが難である。しかしながら、惜しげ無く使えるという利点もある。 ゆくゆくは、クレヨンではなく、筆ペンで、一気に裸体を描けるようになりたいと思っている。しかし、筆ペンの絵には、失敗はつきものなのだ。 下絵も描かず、いきなり全身を描くのは、かなりのデッサン力が必要となる。もう少しヌードデッサンに慣れてきたら、安い紙でどんどん練習しようと思っている。 |
Established 1998 Rica's Bar WEB SITE & Since 2003 Atelier Ojara.
Copyright (C) All Rights Reserved by Rica Ojara.