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◆◆◆ 058 / 魚に復習される猫のエサ作り ◆◆◆

魚に復習される猫のエサ作り

早朝、猫のエサを買うために、近くのパサールに出かける。パサールといっても、小さなテーブルに野菜や食べ物をささやかに売っている、露天商のことである。

魚を猫のエサにしているというのは、オババ達には口が裂けても言えない。バリ人は食べている魚なのに、『アタシは、一度も食べた事がない』なんて、やっぱ、言えないよなぁ。だからといって、信用はできないし、魚が腐っている可能性もある。

とりあえず、猫の魚は、オババ達から買うことに決めている。時々は、『この魚は美味しいわ。』などと、オババにゴマを擂ったりもする。魚を買う頻度が高いので、遠くの大きなパサールまで行くのは大変だし、頼んでおくと、次の日には、新しい魚を仕入れてくれるからだ。

この赤い魚は、淡水魚だと思う。近くの川かなんかで取れるに違いない。値段は、一キロで百円程度。(外人価格)

トゲのある背びれや、エラがついており、魚を食べようとする天敵に対抗しているようだ。

我が猫は、長い間『グルメな猫缶』を食べていた事もあり、この魚を彼女のお口に合うように料理するのは、実は大変なのだった。

まず、この尖った背びれや、頭、大きな骨、大量のウロコなどを取り除かなければならない。その後、臭みを取るために一度下茹でし、更にミネラルウォーターで煮込むのだ。猫のエサは、我が家のどのおかずよりも手がかかっている。

このエサの仕込みをしているときに、時々、背びれのトゲを指に刺してしまう。

毒でもあるのか、鋭いトゲの傷は、何日も痛い。そんな時には、

『ああ、アタシ、バリまで来て、なんで、猫のエサで指を怪我しているんだろう』と、情けない気持ちでイッパイになるのであった。

え?

『どうして猫缶を与えないのか?』ですか?

こっちの猫缶は、猫が下痢しちゃうんですよね。カリカリもです。ひえーっ。

お値段的な問題もあります。

小さい缶で、一個四千ルピアもするんです。魚五百グラムと同じ値段です。

おおっ、この値段は、前のワルンのナシチャンプールの値段よりも高いじゃないですか。

そんなこんなでね、自分で作る事になったんです。

魚五百グラムで、だいたい四食食べられますから、安全でしかも半額以下ってことになりますね。

どうせ暇ですからね、猫のエサだって作りますよ。

ええ。

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