バリ島 ★ぶうげんびりあ (HTML版)


◆◆◆ 026 / ぶうげんびりあ ひらひらおちて ◆◆◆

ぶうげんびりあ ひらひらおちて

ブーゲンビリアという花は、その可憐な姿とは違い、かなり強引な植物だ。

巨木から、僅かにこぼれる光を目指して、自分以外の植物に巻きついて、どんどんと大きくなる。

光が大量に当たる場所まで成長すると、今度は一気に葉を広げて、太陽を独占してしまうのだ。成長が早いので、幹は華奢なのだが、上の方はとても重くなるのである。

利用するのは、植物に限らない。ブロック塀だって、ワルンの屋根だって、なんでもいい。

ブーゲンビリアに壊されたワルンが一体何件あったことか。貧乏ワルンの女将には、笑えない事態である。

引っ越してくる前に、我が家の風呂場の小さなスペースには、ブーゲンビリアの木が植えてあった。高さも2メートル以上はあったと思う。

しかもこの植物、トゲがあるので伸びると危険なのである。

熱帯植物は、古い葉や花を落としながら成長するので、そこいら中が枯葉だらけになってしまうのだ。

入居前に、この木を伐採してもらうことになった。

大家さんには思い出があったらしく、たいそう不満そうで、私たちも人間関係の悪化を心配したのだが、この決断は正解だったと思う。

半露天の風呂場の上イッパイにブーゲンビリアが広がると、風呂場が乾燥しない上に、暗くなってしまう。

さらに、虫や蜘蛛が大量にやってきてしまうからである。

その後、庭のあちこちに転移していたブーゲンビリアも、次々と始末する。ウチのオットは、この植物が嫌いらしい。

バトミントンやバスケットをやっているときに、ボールがブーゲンビリアの茂に入ってしまうと、トゲが危険で、取り出すのが大変だからである。

それに、ウチに無くっても、あらゆるところに咲いている。隣の家から、アタシの家のマンゴーの木を利用して伸びているブーゲンビリアを時々見るだけで、もう十分という気持ちでイッパイになるのだった。

そういえば、この物語のタイトルも『ぶうげんびりあ』にしたんだっけ?まあ、手近な花で手を打ったという安易な発想なんだけどね。

『ハイビスカス』っていうほど、パッとしてないし、『椰子の木』というタイトルは、有名作家さんが、もう書いてそう。

かといって『マンゴーの木』なんてタイトルは、映像そのものが、想像つかないもんねぇ。

『他に、なんか、理由があるんじゃないのか?』ですか?

やっぱ、意味も無くチラチラと咲いては散ってしまう、南国の花のように、内容の無い本ってことかしらね。

うふふふふ。

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