バリ島 ★ぶうげんびりあ (HTML版)


◆◆◆ 025 / バリにもあるおしろいばなのたね ◆◆◆

バリにもあるおしろいばなのたね

とある、バックパッカーの宿。黄色い表紙のガイドブックに載っているので、客は勝手にやってくる。

宿の作りは、白人の棟と、日本人との棟に別れていて、とても外国とは思えなかった。

ここでは、貧乏長期滞在者が、仲良くなったり、もめたりのドラマを繰り返している。

まあ、白人客が入れ替わるたびに、早速恋に落ちてしまい、隣の部屋から聞こえる激しい唸り声にモンモンとするよりは、人間関係が多少悪くても日本人村の方がマシだといえなくも無い。

白粉花は、日本人の棟のバルコニーの前に、静かに咲いていた。客が種を持ってきて蒔いたのかもしれない。

花も葉も、日本のより少し小さい気がした。バルコニーで旅人が語り合うボラれ話や、バリ人に騙された話を、何年も聞かされ続けている白粉花。

『もう、いい加減にしてくれ』と、身も細る思いなのだろう。気持ちは解らなくもない。

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