バリ島 ★ぶうげんびりあ (HTML版)


◆◆◆ 021 / 朝摘みの薔薇 青い瓶 ◆◆◆

朝摘みの薔薇 青い瓶

ギャニャールのナイトマーケットで買ったバラの苗十本のうち、生き延びた四本のバラは、時々花を咲かせてくれる。

葉の方は、蝶やバッタの幼虫などに全部食い尽くされてしまうこともあるのだが、遺伝子は、過酷な環境だからこそ、子孫を残そうと必死である。

しかも、花用の肥料を埋めたため、バラは、咲かずにはいられない。時々庭に出ると、もう新しい茎を伸ばして、先っぽに花をつけている。

身も細る思いで花をつけたかと思えば、アタシが花を切ってしまう。南国とはいえ、こんなに過酷な環境も珍しい。

こちらの人は、花を切って飾るということはあまりしない。なのに『このバラ』は、ウチに買われたばっかりに、花を咲かせるたびに、切られてしまうのだ。

朝摘まれたバラの花は、誰かに頂いた酒の入っていた青い瓶に活けられて、アトリエの机の上に飾られる。

そして、絵を描かれたりもするのであった。

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