バリ島 ★ぶうげんびりあ (HTML版)


◆◆◆ 020 / 見上げれば広がっている神様の木 ◆◆◆

見上げれば広がっている神様の木

バリヒンズー教では、神様が休むための椅子を信者が用意しなければならないらしい。どの家にも神様の椅子があり、ごはんや果物、花などが供えられる。軍資金の問題で、神様の椅子を作れない場合には、神様の木が使われる。

彼らはまず、成長の早い木を、真中からナタで切り、『Y字型』の木を作り上げる。『Y字』に成長した木は、更に根元から切り取られ、二本並べて意味のある場所に突き刺される。その上にはザルなどを敷き、『簡易神棚』が作られるのである。

真中から切られても、根元から切られても、この木は死ぬということもなく、次に神棚として植えられた場所で、また、成長を始めてしまう。恐るべし生命力。この、不老不死のパワーこそ、『神様の木』としてふさわしい。

しかしながら、神棚の木は、六ヶ月もすると、もう三メートル程の高さに枝を伸ばしてしまい、風で倒れて神棚を破壊してしまったり、辺りの植物を遮って、自分だけの天下となったり、伸びすぎてまた、真中から裁断されたりを繰り返すばかりなのだった。

おじゃら画廊のHP

Established 1998 Rica's Bar WEB SITE & Since 2003 Atelier Ojara.

Copyright (C) All Rights Reserved by Rica Ojara.

イチオシ自由律俳句の本