バリ島 ★ぶうげんびりあ (HTML版)


◆◆◆ 018 / 何もかも伸びきって青空 ◆◆◆

何もかも伸びきって青空



左から、『バナナ』、葉が見えない、グレーの幹は『椰子の木』、右が『パパイヤ』。真中にある、緑色のは、日本にもある『ブタクサ』。

とりあえず、そこいらに散歩に出ると、あちこちで見つけることが出来る。

こちらで暮らすようになって、南国の植物の成長力には、驚かされた。

引っ越してくる前には、この家の前には、何本ものバナナの木があって、まるでジャングル状態だった。一本植えるだけで、地下茎でどんどんと、バナナの森を広げてしまうのだ。根っこごと引き抜いたつもりでも、ちょっと根っこが残っているだけで、そいつが成長してしまい、コンクリートを突き破って、また、新しい芽を生やしてしまう。うーん。デストロイ。バナナの葉は、いまだに、食べ物の下に敷かれたり、お供えの皿にしたり、バリ人の生活にも欠かせない植物である。

しかも、切っても切っても、またすぐに大きい葉がでてくるのよね。土に力があるんだろうねぇ。

椰子の木は、ウチにはないから、成長の度合いはイマイチ解らない。とりあえず、幹はやわらかいので、成長は早いんじゃないかと思っている。それでも、実が成るようになるまでには、何年かかかるらしい。

椰子の実は、スパイスとして、イロイロなバリの料理に使われている。実の回りのフカフカした皮は、蘭の花の苗床に使ったり、乾燥させて燃料として使ったりもする。実の硬い部分は、イロイロな土産物に変身して、バリ中に散らばっている。

パパイヤの種は、鳥が運んでくるのか、土があれば、あちこちに自生してしまう。ご存知の方もいるかもしれませんが、あの種の量。ハンパな数じゃないっす。しかも、皮も硬くないので、鳥も食べるのがラクチン。恐るべしは、その発芽率。鳥はアタシのウチが好きなのか、あちこちにフンを撒き散らしているようで、パパイヤもあちこちから生えてくる。おいおい。

パパイヤのスゴさはそれだけではない。鳥のフンとなり運ばれたその場所で、雑草などよりも、ほんの少しだけ早く成長し、その大きな葉で、自分の周りの日光を遮断してしまい、自分だけが太陽を独占、土の栄養分まで確保してしまう所である。そんな嫌な奴、人間だったら、嫌われているよなー。

熱帯の巨大植物は、太陽や雨を十分に確保するために、葉の形や強度、成長する高さなどが、他の植物と競合しないように微妙なバランスを保っている。

豪雨や強風、炎天下が繰り返されるたびに、『どうして、椰子の木は、あんなに高くなってしまい、あんなハッパをしているのか。』などを考えさせられて、一人で納得したりするのである。毎日、どこぞのテレビ局の『植物の戦略』って番組を見ているような気にさせられる・・・。

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