Tenugui Gallery by Rica Ojara

18/Feb/2005

てぬぐいのための習作★022

杯(正倉院)

      

杯(正倉院)

8世紀

ガラス+銀

高さ11.2センチ。

ブルーとシルバーのコントラストが素晴らしいですね。

 

 

台のところを、もう少し白くしようかなあ。

少し色濃いかもなあ。

型紙は、マジックでアタリをつけて、カッターでカット。

全体のフォルムを作り上げてゆく。

実際の写真で細かすぎる部分は省略したりもする。

やっぱ、下の台は、もう少し白をプラスしなくては。

作品は、図録の解説を元に、ほぼ実寸で再現する。

実寸で再現することで、店頭に並んだ時に、よりイメージが湧きやすくなる。

大きさが少し違うだけで、全く違う品物に見えてしまうのだ。

この作品は、これからてぬぐい大の紙に展開してゆく。

    じつは、ダンボールで、こんな型紙も作っている。

これをてぬぐい代の紙に、写し取って、全体に広げてゆくという作業である。

パソコンでやれば早いんだけどね。

やっぱ、作品として残ってゆかないし、技術が身につかないのよ。

これ一個、エンピツで転写して、筆でアタリの線をつけてゆくという作業を繰り返すだけでも、筆使いの鍛錬になる。

手を抜かずに、自分の手で描けるようになる。

まず、そこが第一歩である。

手でサラサラと描けるようになれば、ミュシャのような、美しい唐草模様なんかを混ぜた絵も、サラサラと描ける日が近づくのである。

しかも、国立博物館に並ぶなんてなあ。スゴイぜ。

細部の指示書

左側の文様は、色を変えられるように、1センチ程度の白いスペースを入れる。

あとは、全体に展開。

てぬぐいっぽくないぜ。

でもまあ、壁に飾る人もいるらしいし、二枚縫い合わせると、のれんにもなるし。

ランダムに展開するのがいいのか、シンメトリーにするのか悩む。

周囲を他の文様で囲むと、アタシが作った的個性がでるので、面倒でも、ここは、柄を入れることにする。

型を作る人は大変だよなあ。

上の展開図だと、イマイチ感じが沸かないし、切り出す人も大変だろうということに気づく。

この前テレビで見たてぬぐいの番組は、下絵は、ほとんど、完成図に近い形で色付で作られていた。

当然といえば当然である。

まだ、あんなに絵が上手くないので、同じようには作れないのだが、白と黒の版を混ぜて展開するということになると、やっぱり、型が必要だということが理解できてくる。

しかも、両方の型である。

最初は、コピーした図を切り取って展開しようかと思ったが、ステンシル版画とか、型染めの技法を使うほうが、てぬぐいの版になるノリの付き方なんかもチェックできるんじゃないかと考えた。

ステンシルの版で欠落する線は、のりづけできないということである。

そんでもって、ステンシルの型紙をネットで探す。

うっひょー。A4一枚100円もするのかあ。てぬぐい型を作るのは大変だよなあ。

そんでもって、他の人はどうしているのかをチェック。

なるほどぉ。OHPシートで作れるのか。

納得。もうちょっと強度が欲しかったので、試しにクリアフォルダで版を作ってみる。

あんまり上手く作れないが、仕方ないぜ。

黒地と、白地の型をそれぞれ作って、てぬぐいの縁を除いた大きさの紙に転写してゆく。

おおっ。イイ感じ。

まだ、ステンシルに慣れていないとか、木版用の刷毛が見つからないとか、版の作り方がイマイチという点を除いては、かなりの進歩だと思う。

今度は、背景部分に当たる黒いところと白いところを塗り分けてゆくのである。

墨ってスゴイぜ。

この方法だと、自分の手元にも下絵を残すことができるという利点もある。

ビミョーに違ってしまうかもしれないが、概ね同じ下絵を二枚作ることが出来るというコトだ。

それにしても、手が汚れるのを何とかしたいよなあ。

実際の転写された版はこんな感じになる。

左上は、墨が水っぽくて、プラスチック版からはみ出て、まっくろになってしまった。

もう一度作り直さなければ。

でもまあ、パソコンなどで作っていない、手作りのムードは伝わってくると思う。パソコンも出来るのになあ。

あとは、墨の粘度に気をつけて、スポンジなどを手作りし、コツコツと展開してゆくということである。

この方法で作ると、縁のデザインを確定して、中のデザインだけ、何種類か作ることが出来る。

採用されるのは一枚かもしれないが、何種類か作ってみたい。シンメトリーに並べるのか、白と黒を混ぜるのか、一版を全体的に散らすのか。

それにしても、プラスチックの型を作るごとに、大きさがビミョーに大きくなっている気が・・・・。

雑な性格である。

この作品は次ページに続く。