◆◆◆ 1658 ★ 中田英寿さんの話 ◆◆◆

インターネットラジオFM北千住 ときどきゲリラ的に収録・生放送(あとはいつでも見れますよん)

2011.9.28

伝統工芸展の説明の番組の中に、中田さんがゲストで来られていた。

彼は、最近は、日本を旅して歩いているのだという。

理由は、ヨーロッパでサッカーをしている期間が長く、そのときに、皆に、日本のことを聞かれたのだが、何も知らなかったということから始まる。

それから、外国にいて、自分に何が残ったかというと、自分が日本人であったことを強く感じた。

という話をされていた。

アイデンティティーの話である。

アイデンティティーというのは、「自分が何者か」を考えたときに、自分の主張の中心となるもののことである。

中田さんは、「自分が日本人である。」ことに気づき、日本のことをもっと知りたい。

という意思を持ち、日本を旅しているということになる。

旅した先では、伝統工芸に関わる人たちに会い、体験をしたりもしているらしい。

そうだろう。陶芸をやればわかる。

市販されている、なんともない作品を作るのに、どんだけの技術が必要かということをである。

だから、店先に並んでいる作品が、凡庸であったとしても、アタシは、もう、バカにしたりはしない。

アタシには作れないということを知っているからだ。

アタシもバリ島に4年程住んでいた。

ので、中田さんの話は良く理解できる。

私たちが帰国したときに残されたものは、「自分は日本人である」というアイデンティティーだけだった。

「自分が日本人であり、そのことを誇りに思います。」

アタシは、世界中の人に向かって、今は、そうキッパリと言い放つことができる。

バリに移ったときには、そんな思いは、微塵も無かったことを考えれば、国外生活というのは、母国の事を考えさせ、人間を変えるものなのだと思う。

イチローさんだって、そういう話をよくされる。

「自分が日本人である」

そういうことを、世界にアピールしているのである。

構想はオシオッサさん、作ったのはアタシ

アイデンティティーというのは、国内にいると培われないと強く感じた。

日本人は、愛国教育に失敗していると強く思う。

母国を愛する気持ちが弱いと、国が弱くなる。

その結果が、今の日本の現実(政治の混乱や、学力の低下、経済の悪化)と繋がっている。

地震がきたので、放射能が危ないので、日本を捨てて、海外で暮らす。

そういう人が多いのは、愛国心が欠如しているからに他ならない。

中田さんが、ドレスコードは着物にしようと言って、キモノのパーティーを開いたり、日本を旅して、伝統工芸に親しんだり、そういう方と、前衛的なアーティストとのコラボレーションを企画されたり。

そういう流れを作っているというのは、素晴らしいことだと思う。

アタシも、時々キモノを着るけれども、それは、キモノが日本の民族衣装だからである。

日本の民族衣装なのに、自分で着れないということが恥ずかしい。

昔の人が毎日着ていたのだから、自分に着れないはずがない。

アタシは、そう思うことにした。

確かに、イロイロと面倒なことは多い。

洋服に負けてしまったのも、うなずける。アタシだって、搬入の日や、絵を描くときには、キモノを着たりしない。

労働効率が著しく落ちるからである。

アタシが、日本的な箱の中に、何らかの品を入れるという作品を作っているのも、海外で作品が展示されることを前提にしている。

日本人というのは、箱が大好き。

抹茶茶碗などであっても、茶碗に、綿の入った服を着せさらに、小さな箱、袋、大きな箱に入っている品だってある。

ははは。

大切なの。

そういう、大切なものを箱に入れてしまうという文化。

箱をあけるときのワクワク感。

箱そのものの持つ意味。

そういったものも、作品の一部として取り入れたい。そう感じたからである。

はぁ。こんなこと書いていないで、新しい仕事探さなくちゃな。

現代作品って、一個も売れたこと無いんだけどな。とほほ。

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