◆◆◆ 1643 ★ おじゃら現代美術館に業態を変更します ◆◆◆

インターネットラジオFM北千住 ときどきゲリラ的に収録・生放送(あとはいつでも見れますよん)

2011.9.19

イラストレーターの人の多くは、商業画家なので、自分で作品を生み出すということよりは、依頼品を作るという傾向が強く、作家に求められているオリジナリティーとか、自由度というものとは、表裏にある場合も多いのです。

そういう意味からも、前衛的な作家を集め、そういった方たちの力になりたいと考えるのは、アタシにとって自然なことだと思います。

入会したのが6年ぐらい前で、理事としては、たぶん4年ぐらいお手伝いしてきたと思います。

金銭的な事情で、外に働きに出ようと考えた今、僅かな報酬での協会の業務の負担が大きく、理事を辞めなければならなくなったのは大変残念です。

ただ、やはり、私の画廊で、前衛的な話になったときに、常識的なイラストの世界とは、全く異なる世界の話になり、来た人も混乱してしまうということもあると思います。

逆に、前衛的な作品を作る人たちは、ありきたりな作品の話には戻ることもありません。

そういう意味でも、この日が来るというのは必然なのだと考えます。

イヤまあ、アタシは、イラストレーションというのは、もっと面白いもんだと考えていますけどね。

「面白い」っていうことが、どういうことなのか。

そこは、考えるべきところだと思います。

「面白い」が絵の結果になって表れているってことですからね。

それは、芸術作品と同じ場所にあるってことじゃないかなと。

別に、アタシのイラストが、上手いとか、面白いってことでもないですけどね。ええ。イラストとは何かが理解できているのと、自分が作れているのかというのは、違う場所にあるってことなのです。

2011.9.19

今日は、月曜の祭日で、明日は国立新美術館が(火曜のため休みなので)新制作展と、行動展に行きました。

新制作は、力の入った作品が並び、会場からオーラ出ていました。

入選作品の点数が増えたのか、作品から溢れ出る熱気が感じられました。

同時開催の行動展は、初めて拝見しましたが、新制作よりは一段落ちるという感じでした。

前衛的な度合いは、行動の方が上ですが、前衛的な表現だったって、ある程度、作品に引き込む可愛らしさというのは、作品からでてこなければ、美術商が扱ってくることは皆無と思います。

洋画も、新制作と行動では、新制作のほうが、粒が揃っているなと思いました。

行動でも、(たぶん会員の部屋)はそれなりのクオリティーですけど、それ以外の入選作が、少し落ちるかなと。

個人的な感想では、二科や日展は、もっと落ちる感じがしますね。

それは、アタシだけが感じていることではないと思います。

美術関係者の中には、公募展は、見に行かないという方も多いです。

それぐらい、作品にばらつきがあり、見るものが不安になる内容だということになります。

クオリティー的には、新制作・国画・二紀が一番上、そのあと、行動や独立(すみません、まだ見たことありません)あたりがきて、

日展や二科は、その下かなと。

もっと違う公募展も見てますけど、会の名前は覚えてないことが多いです。

新制作の会場では、芸大の北郷先生が来ていらっしゃり、先生は、アタシがもう6年も前なのに、公開講座に参加したことを覚えてくださっていて、少し話しをしました。

オジャラ「センセイ、作品、拝見しました。今までの作品も素晴らしかったですけど、今回のは、また一段上に上がられたという気がしました。感激しました。」

北郷「ありがとうございます。最近忙しくてね。昨日も、佐藤忠良センセイのしのぶ会があって、、、、、」

オジャラ「ああ、佐藤先生(1912年7月4日 - 2011年3月30日)亡くなられたんですね。あの作品(新制作に展示中)は、テレビで拝見したことがあります。残念です。」

北郷「もう、九十何歳だからね。ははは。ボクの彫刻のセンセイは、佐藤忠良と、船越桂だけどさ、同じような作品を作るわけには行かないよ」

それから、アトリエは三箇所あり、自宅ではドローイングで、作品の素案を作り、自宅の敷地内の別棟と、芸大の工房で大きな彫刻作品を作っているのだとか、

このあと、一時半から、作品の解説があるとか

そういう話をされる。

北郷先生は、まず、塑像のミニチュアを作り、そのあと、大きくしてゆくのだと語られた。

アタシは、「マチェット(ミニュチュア作品)と同じように、作品を引き伸ばせるんですか?」と尋ねると、

先生は、「形はどんどん変わってゆくんです。それでいいんです。」

と答えてくださった。

アタシは、「小さい作品しか作っていませんけど、あきらめたわけではありません。アタシの先生は、北郷先生です。」キッパリ。

と言うと、先生は、少し笑ったように見えた。

アタシが着物を着ていることに関しては、

北郷「おしゃれですね」

と褒めてくださり、アタシは、「日本の民族衣装ですから、頑張って着ています」

と答えるのだった。

アタシは、ギャラリーを業態変更し、小さな現代美術館とし、前衛的な小品を集めて展示したり、小さな図録を作り、配布したりしたいという希望を伝える。

北郷「作品を発表してゆく、美術館という場所は、必ず必要になってきますね。」

と大きくうなずかれた。

それから、また、芸大の塑像の公開講座に参加してくださいと、誘ってくださる。

他にも先生とお話したい方がお待ちなので、これで失礼をし、また、作品の鑑賞に戻る。

残り時間があと少しあり、行動展を一周したあと、もう一度、新制作の彫刻の会場で、作品の自由さとは何か、それが、結果に現れているのか、

美意識とはなにか、そんなことを考えながら、随分と、作品を拝見させて頂いた。

特に心が引き込まれたのは、吉村維元さんの作品。

吉村 維元  YOSHIMURA Masayuki

― 2010彫刻部 受賞作家展 ―

http://www.shinseisaku.jp/sculptor/news/news100227_6.html

おおっ。去年は、やっぱり、賞をとられていたんだ。

アタシは、この人の作品の前から離れることができなかった。

作為というものよりも、実在が迫ってきて、凸凹としたマチエールにも引き込まれるし、なによりも優しく、ユーモアさえ感じる作風だ。

作風のやわらかさから、もっと年配の方かと思っていたけど、アタシより若いんだ。

ははは。この先、楽しみがまた増えた。

オジャラ「奥田先生の作品とかは、今年は展示されていないんですか?皆さんお元気ですか?」

北郷「奥田も増井も元気に作っていますよ。奥田と増井の作品は、三階の企画コーナーに展示されています」

と教えてくださった。

増井先生の作品は、アタシは、6年前に拝見したきりだったが、造形の自由度がまし、ステキで美しかった。

良い一日だった。

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