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インターネットラジオFM北千住 ときどきゲリラ的に収録・生放送(あとはいつでも見れますよん)

2013.4.11

写真家、木村伊兵衛 の話に戻ると、土門ケンだっけ、あの人と対極だったとか、ライバルだったとかいう話に。

アタシは、どっちでもいい。

残された写真がよければ、それだけで、他の事情は関係がないというのが本音である。

写真というのは、沢山作れてしまうから、良い作品だけしかプリントしないというのは難しいのだ。

それでも、絵画とか、オブジェなんかの創作物と比較して、個性というのは出にくいのが写真。

植田正治 と、杉本博ぐらいしか、写真の識別というのは出来ない。誰が撮影したって、同じように撮れてしまう。カメラの性能がアップした最近は、特にそういう傾向が強くなっている。

そういった中で、独自の世界を表現するというのは、厳しい戦いということに他ならない。

ワタリウム美術館3/23撮影のおじゃらの巨大ポートレート

巨大看板完成

そんなこんなで、木村さんの写真を見て、それほどすごい人だという凄さは、あまり理解できなかったが、それは、そのうちに、できる日が来ると信じている。

審美眼というのは、そういうものなのである。

「誰が、どの作品を、どういう理由で良いと言っているのか。」

良いといっている人が多いからいいというものでもないが、悪いと思っている人が多いものは、世に出てくることも無いということになる。

アラーキーの写真とかは、いいなあと思うけどね。パワーがあるっていうのかしらね。

この前、AERAの表紙を取り続けているポートレーター、坂田栄一郎さんが、ポートレートを撮影している様子を見た。

なるほどね、褒め殺し的なね。

どんなに固い表情だった人も、リラックスしてきて、だんだん顔がほころんで、自然な感じに仕立てあがる。スゴイもんだねぇ。

1000人以上のポートレートを撮影したスタジオもステキだったし、若いアシスタントさん達も活き活きとしていた。

アタシは、知人のカメラマンのO太さんのことを思い出して、そうして、彼が、幸せであることをちょっと祈った。

それから、右の、プリクラのように、自動的に撮られた写真であったって、B0程の大きさに引き伸ばされれば、誰も捨てやしない。

形になって世の中に増殖してゆくというのが写真のいいところである。

ワタリウム美術館3/23撮影のおじゃらの巨大ポートレート

ワタリウム美術館3/23撮影の

おじゃらの巨大ポートレート

写真には、そのほかにも、時代、時代の象徴的な風景やシーンを記録するという目的もある。

そういった写真だからといって芸術性が低いということでもない。

どんな人がどういう意図を持ち、どういう作品を導き出したいのかという志というのは、写真にも現れてしまうものなのである。

ただ、少し、一流の写真を見て歩くだけで、写真に対する価値観というものは変わってくる。

一流か、それ以外かは、ほんの僅かな差にも思えるし、物凄い差であるようにも思う。

多くの写真家は「自分でもこれぐらいは撮れている」と思うため、写真業界の進歩はほんの僅かしか進まない。

それでも、写真の何たるかという本質に気づいた者も必ずいて、気づいた者だけに、芸術の門は開かれ、新しい挑戦できるステップがかすかに伸びるのである。

ワタリウム美術館3/23撮影のおじゃらの巨大ポートレート

AERAの坂田さんは、若い頃、日本に来た外人のアシスタントをしたことがきっかけで、知人に、200ドルと、片道切符を借りて、渡米。4年間、その人のアシスタントをして修行をしたのだとか。

なるほどねぇ。

そのときに撮影したスラム街などのポートレートが元で、ポートレートの写真家になったのだという。何か、撮影したいというような、強いものが、その人達から出ているんだと話されていた。

そう、それは理解できる。

私も、肖像画を描きたいと思う女性からは、強いものが出ている。生命力というか、逞しさというか、女性であるという自負であるとか、業の強さとでもいうのだろうか。

そういう、強さを秘めた人を、アタシは描きたいと思うのだ。

写真家だって、誰だって撮りたいわけじゃないと思う。

嫌まあ、絵みたいに、出来上がらないってことはないだろうけどね。装置だからね。

でもまあ、取る側のモチベーションは、結果にでるはずだからね。モデルの良し悪しは重要というとになる。

坂田さんは、たけしさんと、ドンキホーテの女性下着売り場に行って、現代的なポートレートを撮影して楽しんでいた。

そう、楽しむことそのものが、何よりも重要だよなあ。

ワタリウム美術館3/23撮影のおじゃらの巨大ポートレート

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