◆◆◆ 1701 ★ やなせたかしさんの番組 ◆◆◆

インターネットラジオFM北千住 ときどきゲリラ的に収録・生放送(あとはいつでも見れますよん)

2012.7.16.

今日は、漫画家のやなせたかしさんがテレビに出演されていたので、拝見。

彼は、アンパンマンで一発当てて、長い間の苦労が報われたと思う。

彼も、夕焼けの歌とかいう詩の中で、「アンパンマン、君に会えてヨカッタ」

と語っている。夕日は、年老いた、晩年の自分なのだそうだ。

彼は93歳で、「僕はもうすぐ死ぬと思うけど、アンパンマンは生き続けるかもしれない」

と話していた。

全くその通りである。

私は、彼の収入が90億だった話を聞いたときから、アンパンマンをしばらく研究していた時期があった。

日本イラストレーター協会の理事をしていた時期でもあり、売れる絵というのが、どういうものなのかを研究するのは日常であった。

筋は、きわめてシンプルで、ほとんどの話は、ドキンちゃんの食い意地か、イライラ(退屈だから、なにか悪いことをしでかしちゃうゾという「負」のアクション)から始まる。

そこから、バイキンマンを動かし、様々な諸悪の根源となり、それを、アンパンマンや仲間たちが討伐して解決するという物語がほとんどである。

であるからして、美少女のコレクターとしては、ドキンちゃんラブ。

物語の原動力となってくれる、生命の源はドキンということになり、その名前もステキだし、あの柄は、前の猫に似ている。

アタシは、イラストレーターなんかと話すときにはやなせたかしさんの話をし、アンパンマンや、そのキャラクター展開、いくらでも筋を作れるという水戸黄門的なストーリーの安易性なんかの話で盛り上がる。

稼いだ人の話というのは素晴らしい。

やなせ先生は、これから日本はどうなると思いますかという質問に対し、

「最近は、離婚が多くなった。我慢ができなくなっている。日本は、電化している。

私は、もう、ウオッシュレツトなしでは生きられない。自分が弱くなった。

キレる人間が増えてきた。挫折によわく、困難を乗り越えられない。昔のように、強い人間がいなくなった。(ということに危惧を感じる)。我慢や忍耐ができなくなっている」

という話をされた。

アタシは、ホントウにその通りだと思った。

感情のコントロールや危機管理という部分が著しく落ちている。ウツと診断される人も大量にいる。

たいした症状で無い場合がほとんどである。

ほんの少し、気持ちの切り替え方などを学べば、ほとんどのウツ病は、軽いうちに乗り越えられ、社会不適応者は激減するとアタシは考えている。

戦争を推奨するわけではないが、明日生きられないかもしれないという危機的な状態で、自分が何かできることがないか。

そう考え、行動するのが人間であり、自己顕示欲や自満足のために人を蔑んだり、人を傷つけたりする行為が生きるということとは違うのだ。

そういう、危機がないために、日本人は守るべきものを見失い、弱くなってしまったのである。

やなせ先生は、「根気と、絶望しないこと」

そう何度も番組の中で語られていたのが印象的だった。

「詩とメルヘン」という公募雑誌を30年も作り続けて、多くの作家やイラストレーターを世に出した雑誌である。

不景気になり、雑誌そのものの固体が減り、イラストレーターの仲間の元気もなくなってきた。

どの人もため息ばかりで、そのことは私の悲しみでもあった。

アタシの知人は、どの人も、アタシのようなヘタクソではない。才能溢れる絵が描けて、その道で生きていた人さえも、不景気で収入がどんどんと下がってしまう昨今の事情を勘案すれば、絶望しないという精神力は、どんなに励まされても、持ち続けることは難しい。

私は、日本イラストレーター協会の理事時代に、詩とメルヘンが廃刊になってしまったので、その継承雑誌を作れないかと提案したことがあった。

結果的には、退会したわけで、それは、私のためであった。

前衛的な作家のサポートをするのか、それとも、商業美術界という大きなくくりにするのかは思案中である。

それでも、組織や多くの人を束ねる能力が高いということは、何年かの間に十分に理解できたし、人を世に出すということの経験値を積めたということに感謝したい。

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