◆◆◆ 1588 ★ 陶軸を作る ◆◆◆

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2010.10.19. 更新

以前、白洲まさこの本を見たときに、陶製の掛け軸の軸があることを知った。

確か、有名な作陶家が作ったという品で、黄色い地に赤いトンボの小さな文様が細かく広がっている作品で、心が動かされた。

いくつか、掛け軸の陶軸を作ろうと思って、陶芸教室に行く。

まっすぐな棒というのは、作るのが難しい。

集中力が切れると、ところどころ、太さが変わってしまうし、長さも同じというのは難しい。

時間がかかると、ヨレてきたり、ひび割れてきたりするし、あまり短時間だと、造形がうまくゆかない。

そうだよ。

陶芸とは、そういうものだったよ。

アタシは、久しぶりに触る、土の冷たい感触を楽しんだ。

結局6セットぐらい作り、たぶん、中には壊れるものもあるだろうし、何よりも、飽きてきて、もう作れなくなり、天使の塑像を二体作る。

自由度は増したと思う。

画壇の彫刻部門などでは、選にも入らないだろう。

それぐらい、違う場所にある。

アタシは、陶芸は、自由な作品を作りたい。

油彩や、素描なんかは、売るための品も作るかもしれない。

それは、画業というのは、買う人がいるから、なりたつわけで、しかたのないことなのだ。

造形はどうか?

どうなんだろうね。

重力と戦う。

天使の羽や、ネジレ、ポンととりつけた髪の毛、顔の陰影。

凹凸、そこからできる陰。

まあ、売れなくても良い。小品で、1万円以下は売れるんだけどね。2万円というと売れない。笑。

7000円というと売れる。

それは、素描の、1万円や5000円だと1点も売れないけど、3000円だと2枚売れるのに似ている。

陶芸作品は、ドローイングや油彩と比較して、原価が高すぎるんだよな。

それは、銅版画も同じ。教室代を上乗せすると、赤になる。

フツー版画の方が、枚数作れるから、儲かるような計算なんだけど、アタシは、素描の方が作るのが早いのだ。

もう少し高く売ろう。笑。

良心的にやっていると、安すぎてバカにされてしまうのだ。

最近では、相当有名な人の絵と並んでも、それなりに引き込める画力にあがってきていると思う。

本画の場合だけどね。ドローイングは、力抜けてるもんな。笑。

この、たけしさんの横にあるのが、アタシが描いたイラスト(油画)。

すっと引いた線の自由度。

ここが、素描の勝負だと思う。

松本駿介の、ゴミみたいな紙に描いた作品のことを思い出す。

あれは、子供が彼のエンピツ画の上に、セミの絵なんかを描いちゃって、しかも、たぶん、それが、本人が描いたみたいなまちがった理解をされてしまった作品じゃないかと思う。

それが、自由だとか面白いとか言われたという感じ。(アタシ的な解釈で、正しいかどうかは解らないけど)

まあ、セミの絵がなくても、十分に、自由な絵だと思う。

ああいう風に、いくつかの風景や人物を、バラバラに配置するというのは、カンタンではないのである。

シャガールの絵なんかもそうだよね。

描けそうな気もちでイッパイになるんだけど、結局、あんなふうにはならないんだよね。

陶芸家のS井さんは、いつも作っているワイングラスの軸が曲がってしまと、アタシにくれるのである。

ウチのギャラリーのショーケースには、彼の曲がったグラスに、アタシの作った猫の素焼きが、ちょんと乗せてある。

そうして、あの作品は引き込まれるという話になった。

S井さんは、今は、ショウユ瓶をいくつも作っていた。イロイロな造形を作られていて、乾燥させる箱にはいっていて、かわいかった。

ホントウに、フォルムというのには個性がでる。

S井さんは、しつこく、いつまでも作品を削り造形を完成するタイプで、アタシとは対極にある。

オジャラ「陶芸というのは、重力と土の乾燥する速度との戦いですからね」

S井「わかっていてもね、そこが難しい。」

オジャラ「それにしても、ホント、しつこく作りますよね。アタシが来ると、いつも削ってる。笑。」

S井「今日なんか、まだ、造形を作っているほうだよね。あはは。ボクはさ、油彩なんかやらなくてヨカッタよ。」

オジャラ「ずっと手を入れ続けて、作品が完成しないかもしれませんからね」

S井「そうそう。」

オジャラ「何百時間もかかった作品なんて、安く手放せないですもんね。一生出来上がらないとかね。陶芸でヨカッタですね。とりあえず、焼いて、釉かけて、完成しますからね。そのあと、手は加えられないし」

という会話。

陶芸教室は、楽しいんだけどね。お金がかかりすぎる。

実際はこんな感じ。

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