◆◆◆ 1436 ★ ニセ作品-2  ◆◆◆

2009.11.1 更新

そういえば、ギャラリーには、日本贋作事典という本がある。

ハンコ屋のお兄さんから頂いた品で、愛着があり、なかなか処分できない。

曰く付きの品であっても、美術品として格調高い品だっていくつもある。

それを、時代を誤魔化したり、作者名を違う名に書き換えたりと、悪意を投入するからニセになる。

ニセ作品は、悪意が結果に反映されている作品ということになる。

ようするに、人間の根本が、ニセ作品には、凝縮されているということだ。

欲しそうな顔で、品物を眺める金持ちも悪い。

アタシ的に言わせてもらうと、お互い様なのだ。

 

知人から電話がある。

知り合いに、魯山人の焼き物を勧められているんだけど、おじゃらさん、どう思う?

という内容。

オジャラ『●●さん、魯山人のホンモノ、見分けられるんですか?』

アタシは、魯山人の、明らかにホンモノっていう作品を、いくつも見てるけど、素人が作ったような、下手糞な作風が特徴だ。

寛次郎とか、富本ケンキチ、カモダなんとかセンセイみたいな域になればね、そんなにカンタンには、素人は真似できない。

凝視すれば、カンタンに見分けがつくってこともあると思う。

そう、カモダ先生の作品なんかは、国立近代美術館の工芸展なんかでも拝見したことがあって、もう、見たことがあったのに、ハっとさせられて、心が騒ぐのだ。

それぐらい、力の差が、結果に現れているということになる。

魯山人の作風は、そうではないということになる。

知人は、『見分けることはできない』という返答なので、

オジャラ『そんなウサンくさい話、鵜呑みにしちゃダメですよ。しかも、安く買えるっていうなら、贋作でもアタマにこないけど、結構高いこと言われてるんでしょ。

ご縁のものなのだから、ホントに欲しいんなら、ちゃんとした筋のお店で買うべきだし、たいして欲しくもないんだったら、お断りしたらどうですか? 』

商売の敵オジャラ。

たははは。

正しい商売道を学んだのだから、ここだけは曲げられない。

商売というのは、正しくなければならない。

ニセは犯罪だよ。

価値が解らない人に、ニセを高値で売るのは、『詐欺』という。

それでも、ちゃんと、ホンモノかどうか確認せずに買ってしまった、買い手にも落ち度がある。

アタシは、そういう話に、最近ウンザリとしていて、美術業界というのは、ホントウにうさんくさいよなという気持ちでイッパイである。

混沌とした闇の中で、アタシは、新たなる光を見つけることができるのだろうか。

エロ・グロ・ナンセンス展に集まってきた、キラキラと光る絵や作品を見て、私にできることは、一体何だろうとも考える。

作家さんには、ヨイ材料で絵を描くように言い、写真も撮影するように、作品には、制作日付やサインも入れるように話す。

画廊にできることなど、大してないのだと思わないわけにはゆかない。

おじゃら画廊

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