◆◆◆ 1351 ★ コンペ作品を作るという事 ◆◆◆

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2009.6.18 更新

アタシが準備しているということではない。

コンペの作品を見て回ると、賞を取っている作品の不思議さというのにぶちあたる。

大きな賞は、普通会員の中から選ばれる場合が多い。

そんでもって、準会員とか、会友などというふうに、会員のランクをつけて、まず、一般から、会友に入会させ、何年か出した実績を見て、会員になるらしい。

二科などは、会員になるのに、20年も出し続けなければならないのだそうだ。

20年かぁ。白髪が増えちゃうよ。

足立区展であっても、委託の作家の中からしか大賞は選ばれないっぽい。笑。

頑張ったとしても、せいぜい美術協会賞ってところ。

しかも、二年も連続で賞をあげたなどと言われてしまう。

賞というのは、主催者が、作家に対し、あげるものなのだということになる。

イロイロな公募を見て解ることは、公募用の作品というのは、実際の売買とか、イラストの仕事とかとは離れている。

力の入れ具合というのは、会によっても違うんだけど、手のこんだ絵の方が、絵の力はよく伝えることができる。

審査員は、この人が、ちゃんとした絵が描けて、この先も、会に貢献してくれるのかという一点を見る。

であるからして、絵が下手な人には賞は与えられない。

それでも、会によく貢献して、長年頑張った人には、ポロリと与えられることもある。

まあ、そういう類の会が多いってことになる。

日本イラストレーター協会の公募というのは、そういうのとは違って、一般も会員も、公平に作品のみで審査され、審査員も公開されていないので、不正のしようがない。

審査は、個別に行われ、各審査員の点数の合計点数により賞が確定する。

それがね、驚くよね。

アタシは、画廊業になったため、作家さんとの接触時間が物凄く増えたので、審査員は辞退している。

事務局として、お手伝いできることに専念するということになる。

それでも、作品には触れるわけで、(それは、公募料金がちゃんと支払われているかのチェックをするために開封作業を行うという理由から、ついでに作品も見るため)公募の作品の作り方というのは、もっと、公開され、応募作品のレベルを上げる必要があるんじゃないかと思うこともある。

賞というのは、一体何なのか。

賞金や副賞がない賞というのは、賞状のみということになる。

普通の作家さんは、自分が賞を取れないと、自分の絵が悪いとは思わず、審査員の人を責めたり、アタマに来て、自分の会を作っちゃったりする人もいる。笑。

自分の会を作っちゃうって、なんかスゴイよね。

どのみち、画壇で賞を取って、話題になったとしても、作家が大きい絵しか描こうとしなかったりすれば、画廊がついたりはしない。

海外に行く人も多い。

外国で展覧会をする方が、自分の絵にとって、正しい評価がされるんじゃないだろうかという理由からのことが多いように思う。

どうかなあ。

絵によるよね。

公募団体の展覧会を見に行って思うことは、力が十分じゃないのに、大きい絵をムリに描いているので、絵が散漫で、完成度が低い絵が多いってことかなあ。

いい絵と、悪い絵が混ざって展示されてしまうので、いい絵も悪く見えてしまうということもある。

でも、いい絵だけが光っているという事の方が多いかな。

今回足立区展でも、力作が賞を取っていて、それは、設営のお手伝いをしにいったときに、アタシも「ああ、この絵は面白い」という絵が大賞を取ったりしていたので、審査員の先生の、作品を見る目は正しいと思ったりもする。

出す側がね、もう少し、公募作品というものを研究するべきなんだろう。

イラストであっても、絵画であっても、彫刻であっても、それは同じである。

頑張ったなという作品でなければ、賞などはもらえない。

他の人も、みんな頑張っているのだ。

絵というのは、その力は、並んだときには隠しようがない。

どうしても、良い絵はオーラが出てしまう。

そういう、良い気が絵から出ていなければならない。

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