◆◆◆ 1206 ★ セザンヌのテレビ番組を見る ◆◆◆

 

2008.8.26.更新

最近見た番組は、セザンヌの生涯みたいな番組。

セザンヌとは、『近代絵画の父』

と呼ばれる男である。

アート初心者は、『近代絵画』とは何か?

の理解からスタートしなければならない。

ということになる。笑。

嫌まあ、その後に続く、多くの画家に影響を与えたというふうに理解すれば良い。

最も重要なのは、

『どんな影響を与えたのか?』

という部分である。

彼は、『リンゴで世の中をアっと言わせたい』

という意思を持ち、この絵を描いたのだという。

それは、一枚の絵の中に、上から見たり、下からみたりした構図が混じっているという作品だった。

アタシには、この絵は全く違和感ないけど、写実的(リアル系)の絵しか存在しなかった時代には、とても新しい表現だったということらしい。

キーワードは、

『新しい表現』

という部分。

新しい表現にチャレンジしても、結果を出せない人ばかりである。

セザンヌは、あまり人間関係を良好に構築できなかったらしいが、この絵を見た若い芸術家達は多いにこの新しさについて『考えさせられ』それを『理解』し、『受け入れ』、自分でも作れるように昇華されたということになる。

この絵は、新聞のカラーページを切り抜いて、学生時代(小学生だったと思う)、透明なルーズリーフの、表紙に使っていた絵である。

今思えば、何故、この絵だったんだろうと不思議でならない。

セザンヌだったとしたって、リンゴや、山の絵なんかがあったのにねぇ。

というように、幼い頃の思考というのは、謎だらけだ。

当時、アタシは、セザンヌが好きだった。

今思えば、これが、ピカソ好きに流れてゆくのは、必然だったのだと思う。

ピカソは、自分がセザンヌの唯一の継承者だと名乗っているからね。笑。

バーンズコレクションで見た、サン・エトワール山の一連の作品群は素晴らしかったよなあ。

油彩なのに、こんなにも透明で、

ところどころに余白があって、

それでいて、遠目からも力がある。

水彩画のような塗り方なのに、油彩でございますという質感があり、この薄塗りの技術の高さと完成度には驚かされた。

アナタは、油彩を使ったことが無いかもしれないけれども、普通に描くと、乾きが遅いので、濃い色をどんどんとひきずってしまう。

であるからして、白、黄色や薄いピンクの部分に、最初に、四角く絵の具を置いていって、こんどは、ビリジアンや、スカイブルーなんかを薄く溶いて、そっとその隣などに置いてゆくという手法ではないかと思われる。

短時間に、こんなに美しい画面を保ちながら作画ができるというのは、描画の力そのものが高いということを示す。

画面の美しさというのは、画力そのものなのである。

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