◆◆◆ 1066 ★ 書の見方 ◆◆◆

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2007.12.31

正月早々、書の見方を読んでいるアナタもヒマだよね。

たまたま、ヨイ手本があったので、初心者のアナタにも、よくわかる解説。

書のどこを見ればいいのか?

そこなのよ。

足立区で書道のセンセイやら、展覧会の審査員などをされている安東センセイに、書の審査のポイントを拝聴したことがあった。

全く思いもかけない解説であったが、以来、アタシは、書の見方が理解でき、今では、書道展の格まで理解できるようになったということになる。

別に、格付けをシタイワケではない。

ただ、センセイの教えに従って、書を拝見すれば、文字が全く読めないとしたって、レベルの違いは理解できるようになる。

理解というのは、瞬時に正しい判断ができるようになるということである。それは、ニセをつかまされないということに他ならず、画廊業にとっては大切な話なのだ。

左は、耳鳥斎が、『別世界巻』という、地獄絵図の冒頭に書いた書である。

安東センセイの話を引用しながら、この書を拝見することにしようと思う。

(注:この書に関する著作権は、問題なくクリアしています。作者の死後50年以上は経っているという意味です。また、平面の作品に関しては、誰が写真撮影しても結果がほとんど同じであるという理由で、著作権切れの書物の画像を利用することは違法ではありません。)

オジャラ『書の審査のポイントって、何処にあるんっすかね?』

安東『かすれね。』

オジャラ『かすれっすか?それが最も重要なんっすか?』

安東『素人には、かすれを、バランスよく作れないのよ。』

オジャラ『そっ、それって、、、、????』

安東『書を見るときにはね、まず、ボンと、黒い文字がくる。

そのあとにね、墨がかすれてくるでしょう。そうして、また、墨を筆につけて、ボンと強い部分がくる。書をみるときには、その、濃淡のバランスや、文字の配置、遠目(抽象画のような)美しさを見るわけ。読めるかどうかというのは、あまり重要じゃないの。嫌まあ、アナタは、読めなくても、見所を間違えなければいいって意味よ。(アタシは読めるけどは省略)』

当然であるが、文字になっているかどうかは、ちゃんと審査していると思う。笑。書だもんね。

たとえば、上の書でいえば、このように、強い部分が、横に並んだりしないで、全体にまばらに散らばっている。

強い部分に線を引くと解るのだが、波を打ったように、文章が強弱を伴い、流れてゆくということになる。

そうして、強い部分を引き出すのが、『かすれ』ということになる。

何でも鑑定団なんかにも、ときどき古文書が出てくるけど、江戸時代の、武家さんなどから出る書は、概ね、この、強い部分と弱い部分の強弱や、流れるような遠目の美しさが備わっている。

なるほどねえ。

であるからして、ちゃんとした書道団体に入れば、そういう話は、具体的に教えてくれるらしいが、マズイ団体に入ると、センセイまでちゃんと作品を作れないという話のよう。

それは、審査員の書を見れば解る。

書の審査員は、どの会もレベル高いなと思うけどね。そこが俳句とは違うのよね。

それは、展覧会を見て歩けば、アタシでも見分けられるという単純な世界。

安藤先生、書は、『かすれ』っすね。

左の書だって、ほとんど読めないんだけどさ、まあ、読むことを放棄すれば、書の展覧会も抽象画である。

あんなにガラガラというのを除けば、良い展覧会は、その書の美しさに圧倒されるのだ。

薄墨の作り方がなっていないと酷評を受けた書のうちの一枚。

センセイには、いくつかのアタシの書も見ていただいたが、『墨の作り方がなっていない』

ということだった。

センセイに薄墨の作り方を教えていただく。

アナタも知りたいかもしれないので、念のため、ここにも書こうと思う。

●まず、普通に、結構大量に墨を磨る。

このときに、できるだけ、粒子の細かい墨で作るのがよいのだそう。(ようするに、高い墨という意味)

●そのあと、一週間ほど、瓶などにつめて、保管する。

●その後、もう一度、別な新しい墨を磨り、前回瓶詰めした墨中に注ぎ込む。

という作業をするらしい。

どういう事が起こるのかというと、一週間前の墨は、瓶の中で、粒子が小さく(?マジ?)なる。

今すりたてのは、まだ粒子が大きい。

粒子が大きいほうが、下に沈殿し、薄い部分と、濃い部分を同時に作れる墨ができるのだそうだ。

なんか、作る前から、失敗の予感。まあいいかぁ。

理論的には納得できてないけど、試してみるのは勝手である。

別に書家になる予定はない。

ただ、習作の一環として、書も取り入れているという理由から、折角なので、もう少し良い作品を作れるようになりたいという気持ちがあるだけである。

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