◆◆◆ 1032 ★ 嬉しき一日 ◆◆◆

 

2007.11.5

画家として、これほど嬉しい一日はなかった。

だが、その話は、まだ書かないことにする。

バイト先の昼休み、ゴアサさんの展覧会を見に、不忍画廊へ。

そうして、夏に予約した、prokschの作品

http://www.art-proksch.com/prokschbioe.htm

(買ったのは銅版画)を回収。

回収日というのはホクホクとする。

まだ拝んでもいなかった作品を皆で拝見する。

おおっ。紙がピンクなんだ。

アタシの産まれた時期から二年後に作られた作品であり、版画の息の長さというのも思い知らされた。

シミひとつなく、所有者に大切にされていた作品なのだと思う。

ゴアサさんに、「(買ったのが)アナタの作品じゃなくてゴメンね。予定には入っているからね」などと言い訳をし、画廊さんには、「業界誌の広告費っていうのに、結構お金がかかっちゃって、(版画が買えません)」と愚痴る。

不忍さん「広告って、やっぱ、人が来るんですか?」

オジャラ「ウチは、不忍さんと違って貸画廊だからさ、(不忍さんは、企画がよければ、集客できるでしょうが、)ウチには、広告を出したからって人が来るわけじゃないんです。でもね、ウチで展覧会をやりたいという人を説得することはできるんです。

雑誌や新聞に載るっていうのは、一生懸命やってくれる画廊だっていう、具体例ですよね。」

不忍さん「なるほどぉ」

オジャラ「もう少し知名度が上がるまでは、多少はね」

という会話。

ゴアサさんの展覧会の話に戻ると、彼女の絵は、物凄い丁寧に描かれるようになっていて、(この前、椿さんでもその話をしたのだが、)またその話になる。

キラキラとした透明感や、動きのある色彩豊かな作品に引き込まれた。特に細やかな筆遣いが飛躍的に上達したなと思う。

オジャラ「作家さんに面と向かって言うのも何だけどさ、上手くなったよねぇ。絵ってずっと描いてるの?」

ゴアサ「アメリカにいたときには、時間が物凄くあって、それで、(ゆっくり創作に取り組めました)」

そのあと、アタシが、にゃんこ大集合展のハガキを出したために、話がぬいぐるみ作家のミスミさんの話にそれてしまう。笑。

彼女の作品ときたら、全員が引き込まれる。

オジャラ「ゴアサさんも、どうお?ああ、アナタはウサギだもんね。ウサギ展もやるかもよ」という話。ゴアサさんがウチのウサギの展覧会に出すことはないんだけどさ。笑。

他の作家さんからのリクエストがあるので、ウサギもいつかはやると思う。

そうして、あの猫のぬいぐるみは、手作りで、オリジナルオーダーもできるとか、いくらぐらいだとか、ぬいぐるみの単価が安いから儲からないとか、そういう話で盛り上がり、アタシは、また、昼休みをオーバーしてしまうのだった。

はぁ。最近延長してもらった、昼休み二時間を更にオーバーするっていうのがね。

それにしても、八丁堀という立地は、ギンザにも、日本橋にも、茅場町にも近くて、便利だったよなあ。

兜町に、上手いステーキ屋を見つけたし、来週はJIAの庄介さんの展覧会があるので、また行かなくちゃ。

帰りに、その作品を見せびらかしに、村上画廊さんに行く。

そうして、かねてから探している作家さんの作品(銅版画に手彩色)を見つけてしまい、予約をせざるを得ない状態になってしまう。

収集というのは、終わることが無い。

同じ日、ギャラリーG2で開かれていた、芦川さん(足立区の作家さん)の展覧会にも足を運ぶ。

そうして、彼は、「なかなか人が来ないです。銀座の画廊を流しているような人は、来てくれるんですけどね」

オジャラ「ギャラリーというのは、どこもそう。でも、人が流れてきてくれるだけいいじゃない。(収集家に見てもらうと、絵が成長するからね)」

という会話。

彼は、この前、ウチのギヤラリーに、個展のポストカードを置きに来てくれた。

そのときに、にゃんこ大集合展の話をしたのだが、「ボクも参加します」

という参加表明。

それから、ウチの画廊の展示フェンスが、作品展示に邪魔だという苦情になる。

「あのフェンスでしょ。絵が強くないとね、フェンスにまけちゃうのよね。でもまあ、アタシの絵は負けないし、設営が短時間で終わるからね。参加の方も、一旦展示してみると、あまりにも展示がラクなので、誰も何も言わなくなるよ。笑。」

人間楽したい。

私が、ピクチャーレールで最も気になったことは、ハシゴに上って設営をしなければならないというところである。

区内で創作活動をされている趣味の方は、高齢者が中心で、設営時にケガをされると困るのである。

ハシゴということになれば、アタシも手伝わなければならないだろう。ところが、フェンスであれば、ちょっと持ち上げるのを手伝うだけで、設営が完了するのである。

展示時間も節約できるし、ケガをするリスクも回避できるのである。

オジャラ「フェンスは、当分あのまま使ってみるわ」

芦川「うん」

というやりとり。

画廊など、沢山あるのである。

どこで開くのかは、作家さんに決定権がある。

気に入らないところで、開く必要がない。

心理的には、「あそこで開いてみよう、今度はここにしてみよう」

というように、まだ画廊街を放浪しているタイプの作家さん。

それから、お気に入りの画廊を見つけて、ここで毎年開くことに決めた。

というように、常連さんになってくれる作家さん。

2タイプが存在する。

常連さんが増えると、画廊業は安定するのである。

 

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