◆◆◆ 995 ★ 伝統工芸展 ◆◆◆

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2007.10.2

テレビ番組を見る。

アタシが、工芸系の展覧会を見るようになったのは、随分と前だけれどもね、面白かったので、それからは、書も写真も見ることにした。

芸術というのは、全て同じ場所にある。

表現がどうなのか、材料がどうなのかという違いに過ぎない。

工芸作品というのは、芸術性にプラスし、技術が伴わなければならない。また、「伝統」がつくわけで、機能美のような、「用」も備えて初めて、それが認められる。

という世界にある。

ぶっちゃけ、平面作品などよりもずっと求められているレベルが高いのである。

だから、値段が高くても仕方が無い。

という構図。

平面の作家さんとは、根本的に、目指している域が違うということになる。

その作品が示す、技術の高さ、美しさ、「用」の根本全てを満たす結果。

それを見たいのだ。

工芸の展覧会に行く私のことを、平面しか見ない人は、「時間が無くて」

などという言い訳をするのだが、伝統工芸品の入賞レベルを理解したことは、私の創作の指針に於いて、物凄く有意義だったことは間違いがない。

伝統工芸の入賞作の入賞ポイントを理解できれば、他の創作作品の評価というものも、イモヅル式に解ってくるのである。

平面とは、大きく離れているように見えるけれども、実は、同じ部分が評価されている。

伝統工芸品の場合、入賞作品に、その特徴が表れやすく、理解の進みが早いのである。

今回、テレビ番組で入賞作品の説明をしてくださったのは、藝大の、竹内順一センセイ。

この名前を、書き留めないわけにはゆかない。

何故ならば、後で、アタシが、思い出す必要があるからである。

その日が来ることを願い、ここに書きとめるのである。

まず、コジマさんという方の、ガラス入賞作についての説明。

おおっ。ガラス作品なのに、サンダーで研磨して作っている。

ここが新しい。(通常のガラス作品というのは、小さな塊を熱でとかして、大きくしてゆくという創作活動なので、この方法は、従来の技術と逆行しているというところが新しい。)

建築用ガラス5枚を接着剤で貼り付けて研磨。

有り得ねぇ。

そうして、出来上がった作品は、今まで見たこともない。

皿という用の美を完璧に満たしながら、新しい表現が顔を見せる。

彼女は、今回、伝統工芸展初出品で、初入賞。

こんなことは、滅多に無い快挙で、審査員のセンセイがたも、この作品の斬新さと、美しさに驚かされたのだ。

伝統工芸入選作品のチェックポイントは、「新しい表現」に、「美しさ」と、「用」が備わっている。

という点。

「新しい表現」と「極まった美しさ」を支えるものが、技術ということになり、技術が高いのは当り前という怖い世界。

更に、瞬間表現が加わると、文句無く芸術作品ってことになる。

なるほどぉ。賞を取った人の作品には共通点があり、解りやすいのね。

作るほうが、そのことについて無知だということはよく感じる。

初出品、初受賞って話がテレビで流れるぐらいだから、ヨッポドの快挙。でも、作品が優れていれば、可能な話ということになる。

やる気出るわぁ。

というように、審査員のセンセイが、作品をちゃんと評価してくれる展覧会というのは潔い。

全部ではないが、無いわけではない。

そこが重要である。

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