◆◆◆ 958 ★ おじゃら VS オシオッサ ◆◆◆
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2007.7.23 |
バイト先での今日の仕事は、修理から戻ってきたパソコンのセットアップ。 プリンタの共有化なんかの作業も終えたころ、ママさんがやってくる。 「桐箱に入ったメロンを頂いたの。千疋屋のよぉ」 アタシはてっきり、ママさんが、オシオッサさんの、「高野」のメロンの箱を使った作品のことを知っているのかと考えたが、そんなはずがあるわけない。笑。 オジャラ「そっ、その箱、どーなったんですか?」 ママさん「まだあるけど」 オジャラ「もしいらなかったら、アタシに下さい」 ママさんは、スギーズ先生に話をつける「オジャラさんが、この箱欲しいんですって。何でも、作品にするらしいわよ」 ということで、私の願いは快諾され、千疋屋の桐箱も無事にゲット。 オジャラ「桐箱って、なんか、捨てられませんよね。」 ママ「そうなのよねぇ。使ってくれるっていうので、ホントよかったわ」 という下町気質。 |
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そんでもって、「高野」のキャンデーの袋でさえ作品にしようという、オシオッサさんに、千疋屋の桐箱ゲットの報告をする。 オシオッサ「えーっ、ホントですかぁ。でもぉ、私は一つ頂いちゃったし、おじゃらさん、何か入れたらどうですかぁ?」 おおっ。そっ、それは、ビニール袋に入れた作品と、対抗する作品ってことなの? オシオッサさんは、アタシに戦いを挑んでいるんだろうか? どう思う? オジャラ「そーねー、ビニール袋に入れた息、2個並んでても仕方ないしね、別な作品の方がさ、ワクワク感あるもんね。ちょっと考えるわ。」 そんなやりとりでデンワを終える。 はぁ。 ビニール袋に入れた息に、どうやって対抗しろというのかしらね? そうして、売られたケンカをどうするのか? アタシなら逃げるけどね。おほほほ。 あの作品とは並びたくない。 |
S嬢はこの人 |
バイト先では、それにしたって、桐箱に入ったメロンって、一体いくらなんだろうという話で盛り上がる。 平成のお姫様、ポチ嬢は、「ウチは、桃も桐箱入りで届きます」などと、フツーに話に入って来るから驚くぜ。 あれだよね、アタシは貧乏すぎて、異次元の話なので全く平気だけどさ、女ばかりが大量にいる会社にいたら、いじめられるから気をつけてね。 桐箱入りの桃って、見たこともないよ。という庶民のアタシは、なんか幸せだよなあ。 生きていて、知らないほうが幸せということは多い。 どちらにしたって、メロンの桐箱にもラッカーを塗らねばならない。 そうして、中に何を入れるのかを真剣に考えている私がいる。 ビニール袋の「息」以上に、見た人の記憶に残すことが出来るものがあるだろうか? それが、作品の力であり、作家の力量ということになる。 そうして、その作品は、創作から離れていればいるほど、価値が高い(という価値観が存在する)。 時間や金をかけて、苦心して作ったりしてはならない。 それが究極の創作なのである。 デュシャンの泉は、私にそのことを教えてくれた。 だから、現代アートの鑑賞のポイントというのは、創作に時間がかかったのか、なかったのか、そこにある。 ●今までに見たことがない作品かどうか ●創作費用や、創作時間は、どのくらいかかったのか? ●どのくらい、記憶に残ったのか ●見た人にどのくらい、驚きや失望を与えることができたのか 嫌まあ、そんなところを見るわけで、もし、同じぐらい記憶に残ったのであれば、金や時間がかかっていないほうが勝ちなのである。 |
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それは、クリストの「ザ・ゲート」のプロジェクトを見たときに感じたことである。 あれはあれでスゴイ。 嫌まあ、現代芸術の最先端だと思う。 金をかけて、ビルや橋を包んでしまう。 一体いくらかかったんだろう。 なんてばかげているんだろう。 そんなことをして一体何になるんだろう。 と、見た人全員に思われる。 でも、見た人は、そのことを忘れない。 そればかりか、あまりにもばかげているので、会った人に話して歩く。ばかげた作品の話は、見たこともない人に、どんどんと広がってゆく。 それが作品の力である。 だが、同じ作品なのであれば、創作をしないで、記憶に残るほうが、価値は高い。 5億円かけて、15年かかって作りました。 だから驚くのは、まあ普通である。 全く創作していないし、もし、作品すら見ていないというのに、口伝えに記憶に残るのであれば、しかも、その作品は、話を通じて、ほとんどの人が正確に脳裏に描き出すことの出来る作品なのであれば、そりゃ、スゴイじゃないのよ。 オジャラよ、ホントウに、オシオッサさんと、戦うつもりなのか? |
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