◆◆◆ 836 ★ 漆もどきの塗り ◆◆◆

2007.1.20

漆が塗りかけの古いタンスが散らかっていると、カンバスの下塗りができないので、とりあえず、こっちを仕上げることにする。

タンスの引き出しは5個。

重箱は三段に外箱と扉。

薬箱は、外箱と引き出し。

それぞれのパーツで、塗り残したところに色を塗る。

小タンスは、黒にしようと思ったけど、赤いと目を引くし、カワイイかなと思って、赤に決める。

面だけ黒いのも変なので、黒で下塗りした面を、今日は赤で上塗りする。

面の皮の厚い仕上がりだ。

使っているうちにどうしてもハゲてくるんだけど、下の黒が見えて、それはそれで味になってゆく予定。

そうして、以前ゲットしていた、金箔もどきで、箱を装飾する。

カシュー(人口漆)が乾かないうちに箔を乗せてゆくんだけど、テレビで見る限り、皆様ピンセットを利用。

見当たらないので、ペインティングナイフで代用する。

おおっ。最初の一枚は成功。

安物ということもあり、正方形でないという実体。

はぁ。まず、正方形を探すということからスタートなのかぁ。

金箔は、ハラハラと飛び散り、二個目は順調だったが、3個目以降は失敗の連続。

集中しなくてはいけない作業のようだ。

アタシは、箱の面という面にも箔を貼り付けてゆく。

もうこうなると、抽象画の世界。

箱は箔よりも小さいスペースのものもあり、箔をちぎって貼り付けたりもする。

ビミョーにバランスが悪いので、金粉もどきを透明カシューとカシュー薄め液に溶いた品で、上から垂らして丸い模様をつける。

下の赤が乾いていないので、金粉が下地に埋まり、ビミョーな形に仕上がる。

深いわぁ。

今日得た教訓は、金箔を貼るときは集中せよ。

ということかなあ。

材料もお高いのよ。

でも、こういう道具入れとかを作って、自分で使おうと思っているときって至福だよねぇ。

松涛美術館の展示室の二階奥には、作家さんのアトリエの小道具とか、収集品なんかが展示してあって、それを見るのがスゴイ楽しみなんだよね。

重箱の天辺にも箔を張って豪華に仕上げよう。

などと思うと、これまた長方形で、、、、。

誤魔化しのために、もう一枚をちぎって、上に乗せてゆく。

こんな豪快な蒔絵は見たことが無いぜ。

あれだよなあ、蒔絵師って、格調に囚われているからね、もっと自由に作れば、漆の世界にも若い人が集まってくると思うけどね。

たはは。

ヨーカドーの椀売り場に、兎とか猫の模様の漆器があったけどなあ。(マンガ風)ビミョー。

お客様も新しい世界を求めてないってことなんだろうか?

もう一つ、薬箱が残る。

薬箱は、朱塗りの上に黒いカシューを塗ったのだが、粘度が濃すぎたのか、下の漆が半乾きだったということもあり、ひび割れ。

これはこれで、市場には出回らない世界で、ある種の造形の趣を感じたため、残すことにする。自分用だからいいのよぉ。おほほほ。

この前あいだみつを美術館を見に行ったせいで、アタシのアタマの中には、彼の書の印象が強く残っている。

山頭火や放哉の有名俳句パクリ企画で販売しようという線もアリだとは思ったが、アタシも俳句を作るものとして、自分の俳句を入れることにする。

これは、アタシ的には、物凄い心の変化だと思う。

先達の俳句もいいけど、アタシの俳句だって、ナイワケではない。作家なのだし、作品があるのだから、自分の俳句を書き込むべきだろう。

金粉もどきで、

「ピカソも山頭火もアタシも裸足」と書き入れる。

この俳句は、気に入っている。

おおっ。字がヘタクソというのを除けば悪くない。

引き出しの面には、「きみとそより」

と書き入れる。

ちとバランス悪かったよなあ。書の練習、最近してないからなあ。

今日もカメラを忘れたため写真は後日。

最後に透明カシューを塗って完成の予定。

ちなみに、俳句の薬箱は、裁縫箱に、朱塗りの金蒔絵風小箪笥はカラーインクのキットを入れる予定。

自宅で使う品なので、皆様にお見せできないのが残念。うふふ。

夏の展覧会のときには、アトリエに、展示するかもしれません。

置く場所があればっすけど。

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