◆◆◆ 799 ★ 大竹さんの番組 ◆◆◆

最近忙しくて更新できないので、オヒマな方は、作田センセイのサイト

2006.11.27

大竹さんの番組をもう一回見る。

最初に見たのとは全く違う話に聞こえるから不思議である。

作品を見て、親近感が沸いたってこともある。

最初に見たときには、「どのギャラリーが扱っているのか、どんな作品が展示されているのか?」

が気になったけど、

その欲求が満たされると、今度は、その作家さんがどういう人なんだろうとか、何を作ろうとしているんだろうという所が気になる。

作品そのものっていうよりは、やっぱ、創作に掛ける姿勢とか、芸術家としての生き方、創作の方向性、面白さ。

そういう部分への共感というのが産まれてくる。

番組にでてきた脳医学者とかいう付き添いの人との話はあまり噛合ってなかったけど、(まあ、それは、いつも感じることで、)創作者と、それ以外の人との会話というのは、思考そのものに隔たりがあって、話せば話すほど、その溝というのは深くなる。

折り合う必要はない。

ああ、解ってないのかと思う程度で、そんなに気にならない。世の中はそういう人ばかりである。

現代アートの作家さんが、「この作品には意味がない」と言い張るのも理解できる。

どんなに説明しても、そのことを、相手が理解する日は来ない。

この人、誰なんだろうなあ。

(前から思っていたけど、)日本の鑑賞者というのは、知性で作品を鑑賞しているなと感じる。

情報の量とか、作家さんがどういう風に(苦労して)作品を作り上げたのか、幼少期、どんな苦労をしたのか、、、、。

みたいなね。

テレビや本や雑誌などの情報媒体に書かれた浪花節的解説にホロリとし、美術館に所蔵されていると知れば欲しくなる。

ずいぶんと品のあるマーケットだぜ。

昨日みた写真家の番組だって、万葉人の息遣いが聞こえてくるような奈良風景。

みたいな番組の作りに、どうということのない風景写真も、ああ、いい写真だなあと思うまでに感情が変化していたもの。

「36、37年かけて、この一枚を取りました。」

という苦労話に大きく頷き、写真集は大量に売れるに違いない。

大竹さんの対極にあるよなあ。

万葉まで戻っちゃうワケだからさあ。

そうして、古い考えにばかり固執していると、新しい作品が出来上がらない。

とまあ、そういう結論になる。別に写実を否定しているということではない。写実以上のリアルという作品もこの世には存在して、(イラストレーター協会には、そういう巨匠みたいな人も沢山いる)リアルを目指しても、アタシには一生ムリという域であり、その差について、深く考えないようにしているだけである。

大竹さんの番組を2回見ただけで、アタシの思考もこんなに激変するのだから生きててヨカッタよ。

もう一回見よう。

人間の価値観というのは、多様である。

現代系のアートが苦手という人は多い。

「理解できないから」キライ。

という人が大半だろう。

知的情報が満たされないので、不満なのよ。

なるほどねぇ。

「ああ、この作品には意味は無いんですよぉ」

などとヘラヘラ言われると、アタマに来る。

「37年かけて、同じ場所で写真を撮りつづけて、やっとこの一枚が撮れました」

の方が、作家として頑張ったみたいなのは伝わってくるもんねえ。

絵を描くときに何も考えてないとか言うよりも、「死ぬほど苦しんで描きました」とか言うほうが、ありがたいというかさ。

「いい写真ですねぇ」みたいなね。

よーし、今日からは、頑張りを伝えるサイトに方向転換しよう。

みたいなオチ。

そういう話じゃないんだよね。

何を作るのかは重要だという話。

オシオッサさんみたいにさ、「目に見えないモノを作りたい」とかさ、キッパリ言える人はそんなにいないわけよ。

あの人は、ベースギャラリー系の作家さんだよなあ。でも、売り込みに行ったりしないんだよね。きっと。ニューヨークでやりたいって言ってたけどなぁ。

不思議な人だよなあ。

この前、イラストレーターの人とちょっと話した。

お互いの絵を褒めあい(→笑、そういう事は多い)「もっと良い絵になれば、、、、もっと良い絵を作りたい。」

彼は私にそう話してくれた。

彼の絵は、アタシにしてみれば気絶しそうな域で、彼の絵を見ると、アタシはイラストレーターと名乗るのは一生よそうという世界。凹むわぁ。

名刺に、イラストレーターと書くのもやめようかというそういう絵を描く人である。

そういう人が、もっとイイ絵を描きたいって考えているって所が嬉しかった。

アタシも頑張ろう。

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