◆◆◆ 737 ★ テレビ番組を見る ◆◆◆

2006.7.1

聖母子像。

ダビンチの時代は、背景を黒くして、人物を浮き上がらせるという描き方が多く、私は普段使わない色の配置なので、その辺も勉強になる。

画面に散らばった色の量や、全体のバランス、構図など、優れた絵から学べるものは多い。

そうして、彼の絵というのは、何て品があるのだろうと初めて理解する。

品のある絵というのは、誰にでも描けるわけではない。

絵の拡張高さというのは、手に入れられる気がしない。

テレビの中の、線の無い油彩画の、美しい女性像に、どんどんと引き込まれてゆく。

絵が拡大されたときに解ったのだが、実は、この絵は、オッパイを飲んでいる絵であった。

(衣服は、授乳用に、一部が裂けている)

母親の子を見る眼差しとか、子供がオッパイを押している様子など、細部まで物凄く精密に描かれていて、これが絵画というものなのかもしれないと思えてくる。

ダビンチのマリア様は、どこまでも人間的で美しい。

最後の晩餐のキリスト様。

テレビ番組では絵が痛みすぎていて、他の人たちの絵はイマイチよく見えないという理由で描くことができない。

画面の動きや構成力なんかの鍛錬にはなるので、作るのも面白いかなとは思う。

こういう、たいした話でもないスケッチでも、いくつも作っていると、イラストを描くときに良いアイディアが出てきたりもする。

ダビンチが描いた何とか氏の愛人とかいう女性。

彼の絵のような気品は全く作れないでいる。

最近、「品のある絵」というのと、人物の内面表現というのに凝っているけれども、なかなか手に入れられない。

人間の表情を描くというのは、絵の中でも最も高度な部分に位置すると思う。

気品はおろか、全体のバランス、空間と人物の位置など、全く違う絵となっている。

それでも、翌日、電車の中で、ボールペンで同じ絵を描いてみたら、多少良くなっていた。

諦めずに、繰り返し描くというのも大切な作業なのかもしれない。

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