◆◆◆ 736 ★ 個展二日目 ◆◆◆
2006.7.1 もう少しよくなるかもしれないと考え、塗り重ねてみる。ビミョー。 コントラストは少し強くなって、遠くからは引き立つと思う。 |
昼過ぎから雨になってしまい、垂れ幕を外に出そうかと思うが、濡れるのは嫌だなあなどと考える。 よくよく見ると、ボロイ布にうす塗りの絵であった。 看板の出来が良いと、流れてくる人が増えるので、もう少し、看板のテコ入れをしようと、垂れ幕も塗りなおすことにする。 それでも、並ぶと、左の、新しく描いた垂れ幕との差は歴然とあり、自分の絵というのが、どんどんと進化しているのが解る。 もう少し、構成力とか、絵の面白さなんかを加えたい。 面白い絵と一言に言うが、この世の中には、そんなには存在しない。 その一瞬の面白さを、どう表現するのかというのが、絵画の制作であり、何を面白いと感じるのかというのが、画家の感性ということになる。 人間をもっと磨かないと、良い絵にはならないということなのだと思う。 この垂れ幕とか、メインの広い道路に看板を出さないと、流れてくる人は皆無というのは、理解できていた。 来週末でいいかぁ。 みたいな気持ち。 |
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一旦は片付いたアトリエは、結局、大きな絵が広げられ、いつものように、絵を描き始める。 時々、路地を通る気配というのはあるのだが(電気が自動点灯で、曇りの日などには、昼間でも、カチカチと点くという理由) 入ってくる人はいない。 驚くべきことに、地元の方の、このHPの愛読者は多く、私のアトリエには、来たことがないのに、場所は細かく知っているという人多数ということも最近は解ってきた。 あれだよなあ、買わなくてはいけないという恐怖感なんだろうなあ。別に買う必要は無いんだけどね。見ていただくのも、仕事のうちだからね。 アートというものに慣れていないのだから、仕方が無い。 少しずつ、そういう空間があるということを知ってもらったり、絵を持つ喜びを知ってもらうというのも、芸術家の仕事のうちなのだと思えてくる。 |
そうして、小山田二郎の番組を見たとき、奥さんから逃れて、(別な女性と)逃避生活を送った画家というストーリーを思い出す。
まあ、気持ちは解るよなあ。 奥さんも絵を描く人で、結婚したあとは、彼女が働き、小山田の生活を支えた。 彼女は、「彼の作品には価値があるから、買ってください」と、営業して、知人などに絵を売り歩いたのだそうだ。 ビミョーだよなあ。 飲み屋の亭主が、月賦で買っていたというから、結構な値段だったと思うけど。 アタシにしてみれば、自分のオットがそんなことをしないでくれてヨカッタと思う。 収集をしていると解るのだけど、絵というのは、自分が心を動かして買うものなのである。 義理で買ったりしてはいけない。 良い絵だから、飾りたいから、欲しいから買う。 でなければならないのである。 それは、絵の価格とは違う場所にある。 だから、自分の作品を、人に押し付けたりしてはいけないのだ。 見た人が勝手に心を動かして、「この絵を手に入れたい。」 そういう作品に成長しなければならないということである。まだまだだということである。 といいながら、あの時に、小山田の作品を、ムリしてでも高値で買った人はついていたよなあ。 と思わないわけでもない。今は、その数十倍になっているからである。奥深くて、頭の中は混乱中。 |
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オジャラよ、個展に人が来ないのは、この絵だからだぜ。間違いないっ。たははは。 ちと、筋系の絵になりすぎているかもなあ。 |
そういう妻から離れ、心の安らぎを得た彼の絵は、本当に画家の絵である。
良い画廊がついたということもあるのだと思う。 彼は、何もかもから逃れる為、親しい知人にも住所などを明かさずに、住処を転々としたのだという。 絵というのは、つくづく、画廊で売るものなのだと思えてくる。 大きい絵を乾燥させながら、ドローイングのファイリングをする。 今日エディションをつけたのは200枚程度で、カラーインクの作品と、WITH RIBBONなどのドローイング作品である。 WITH RIBBONは、パステルとか、水彩画で、もう少し良い絵にまとめたいよなあ。 そうして、もう7月なのに、まだ200枚しか描いていないという事実に気づき、もう少し、絵を描かないと、目標枚数(年間1000枚程度)に達しないということも理解できた。 バイトを始めたということもあるし、展覧会によく通ったということもあると思う。 墨と自作のペンを使った習作はもう少し繰り返して、線が安定してきたら、高級水彩紙などに描こうと思う。 でもまあ、奈良さんも、もらい物の印刷された紙の裏みたいなのに描いているみたいだったからなあ。紙というのは、あまり関係無いんだろうねぇ。結果が全てってことだと思う。 そういう、廃材系から産まれてくる作品が何百万円もするというところが、現代アートだとも思えてくるし。 |
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