◆◆◆ 716 ★ 銅版画教室 ◆◆◆
2006.6.6 |
今日はお教室の日で、カラー3版刷りというのを学ぶ。 カルチャースクールで、ここまで教えてくださる先生も珍しい。 余りにも高度な技術であり、ビミョーに公開できるのかどうかも不安な状態。 どちらにしたって、アタシには、あんなに正確には版を合わせることは出来ないだろうという域。 下絵の作り方は、まず、刷るインクと同じ色の色鉛筆を使って下絵を作るという作業。 ほほーっ。 そうすると、版が重なったときの色の変化を掴みやすいということのよう。 たとえば、浜口陽三センセイの作品などは、4版使うと、1版1版、完全に完成させてから、次の刷りに入るのだという。 理由は、インクが乾かないうちに、次の版を重ね印刷すると、下の絵の具の盛り上がりが、潰れてしまうからという理由らしい。 なるほどぉ。だからあんなにお高いのね。 納得。 |
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また、印刷を重ねる度に、紙が伸びてしまうので、 版のサイズは、それを想定して、一番下の黄色版は、一番上の青版よりも、5ミリ短い長さで作るとかね。 プレスする方向は、同じ向きから印刷するなど、細かいテクがあるわけよ。 読者様は、そんなに細かい話を聞いても仕方ないと思うので、まあ、この話はこの程度で終了。 どちらにしても、銅版画家というのは、職人的業師だということが理解できた。 知らなかったよ。 アタシの版画ときたら、相変わらずの出来の悪さで、気絶しそうになる。 そうして、ミナサマに、トランプのハート模様だけ赤版を作ったらどうかとか言われて爆笑する。 手で塗ったほうが早いよなあ。笑。 それに、値段もアップできるんだよね。たはは。 |
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そういえば、このポスター。 近所のガキが、アタシのアトリエの看板を見て、キャーキャーと騒いでいた(裸婦!)ので、ポスターでもあげようと出て行った。 そうすると、左のポスターを見た(推定4歳位の)男の子に、「イラナイ」などとキッパリと断られてしまう。 はぁ。 ママさんは欲しそうだったので、猫のを見せる。 そうすると、 「それはいる」と言って、猫のだけ持ち帰った。 なるほどねぇ。 アタシにしてみれば、どちらも気に入っているんだけど、デザイン的には、確かに、猫の方が上だったかもしれないよなあ。 ディズニーや、ピカチューなどで育った世代というのは、本当に目が肥えていて、どんなものをみても、「つまらないと思えてしまうのだろう」という将来を想像すると、ついていない。 学校の図書館の絵本にワクワクしたりは、もう出来ないんだろうなあ。人を殺しては前に進んでゆく、3Dのゲームの方がよっぽど楽しいぜ。 そういう幼年期を過ごすと、良いものだけが欲しくなり、結局金に追われた一生にシフトしてしまうのである。 超商業主義の結果が、子供の高度な鑑識眼なのだとすれば、アート愛好家がもっと増えても良いと思うんだけどね。 ま、マーケットの不透明と市場への不信感を払拭できる日は遠いぜ。それは、アート界全体の問題であり、誰も問題を解決するつもりがないのだから、よくなるはずもない。 |
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河井寛治郎の番組を見たときの、昔の日記をもう一度引用。今であれば、この言葉の真意が理解できているのではないかと思ったからである。 *-*-*-*- 引用文 *-*-*-*-* 彼は、「好かれるかどうかは解らない。自分の好きなものを作ってみようというのが私の仕事です。その際に、表現される、ギリギリの自分が、同時に他人のモノだというのが、自分の信念です。ギリギリの我に到達したときに、ギリギリの他にも到達する。 自他の無い世界が本当の仕事の世界。」 なのだそうだ。 張り紙のようなモノに「新しい自分が見たいのだ。仕事する」と書いてある。 「この『他』とは、ケチな近代的自我ではなく、小さな自我を超えた大きな世界。民芸も、他人の芸術も、あらゆるものが入り込んでくる」 ということなのだそうだ。 *-*-*-*- 引用終わり *-*-*-* 「自他の無い世界が本当の仕事の世界」 民芸も他人の芸術も、あらゆるものが(作品の中に)入り込んでくる。 まあ、そういうことだよね。 勝手に入ってきては作品の中に出てきてしまう。 まあ、そういう話なのよ。ところが、それは、昇華されてゆき、その作家さんの独自の世界へと発展してゆく。 なんか理解。 ワダさんなんかの、盗作とは違う話よ。 一度入ってきてしまった他の人の作品から受ける影響を、取り除くことはできないのである。 優れた作品であればあるほど、勝手に、他の人の作品の中に入り込んでしまう。まあそういうことなのだと思う。 でも、目指すべき場所は、「新しい自分(の作品)」ということになる。 ここが、ワダさんとは違うところだよね。たはは。 そういう、作品作りに対する哲学のようなものがね、理解できるようになってきたんだと思う。 |
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