◆◆◆ 707 ★ 小作青史センセイの展覧会 ◆◆◆

2006.5.26

京王多摩センターにある、多摩美術館の、小作センセイの展覧会を見に行く。

入場無料なのに、図録まで頂いたので、入り口で、

「もっ、もらえるんですか?スッゲー」と大きい声で感想を発してしまったアタシ。

受付の人は、アタシの素直な発言に驚いて、録音しておけばよかったなどと笑っていた。

今まで随分と展覧会を見てきたが、入場無料で図録までタダなんていう太っ腹の展覧会は、初めてだよ。

センセイの展覧会は、気持ち悪い絵ばかりである。

そうだよ。全部が気持ち悪い絵なのである。

欲しいと思った絵は一枚くらいかなあ。

でもまあ、気持ち悪いというコンセプトは理解できた。

そうして、気持ち悪い絵なのに、絵に躍動感があるというのにも驚かされた。

日本であんなに躍動感がある絵というのは、あまり見たことがない。外国で勉強されたのかなあと思ったりもする。

小作先生は、版画をプレス機から解放するという活動を展開されてきた。

プレス機がないのに、版画を作れるというのは、何を意味しているのかといえば、世界各地に、版画を広められるということである。

バリ島にいたときには、プレス機は一台もなかったわけでね、プレス機の初期投資ができないので、版画が普及しないという実態もある。

手製のバレンや、足踏み式のプリントにより、版画をもっと多くの人に楽しんでもらいたい。

そういう活動なのである。

そうして、そのために、新しい技法を研究・発表し続けてきた。

誰にでも出きる事ではない。

作品そのものにも、一環した主張があり、芸術家というのは、絵を描くだけでなく、もっと多くの事をする職業なのだというのを知った。

まあ、絵がある程度売れないとそういう活動もできないわけで、その才能を発揮され、収益を版画の普及活動に充当されてきたのだと思うし、それこそが才能なのだと思うのである。

センセイが下さった図録には、展示されていた作品のあらゆる技法が説明されており、大変参考になった。

版画ファンの人であれば、是非所有したい図録だと思う。

 

絵の値段について考える。

絵の初心者が買おうという決断ができるのは、せいぜい3万円程度だと思う。

1万5千円とか、3万5千円の作品は売りやすいけど、6万円とか8万円の作品は、ずっと売れないもんね。まあ、主婦には6万円というのは厳しい値段だよねぇ。

 

お高い=作品が大きすぎるっつーのもあるわけでね。

日本の居住環境に、大きい絵は難しいという物理的な事情もあるよね。

価格設定というのは重要だよなあ。

雑誌表紙の原画とかいっても、アタシの場合、コピー用紙にボールペンで描いて、パソコンで彩色とか、そんな話だと、売るのは難しいもんなあ。

今だと、カラーインクの作品だけど、イロイロな紙に描かれていて、所々失敗してパソコンで補正したりもしているし、販売という品質でもない。

そういう作品の差というのはあるよねぇ。原画を販売するというのを前提に作品が作られているってことなのかもなあ。

絵の道で生きるということは大変な話なのである。

もうそろそろ、個展のことを考えないとなあ。

今年はどんな内容にしようかなあ。

とりあえず、作品は結構出来ていて、(!)まあ、新作でも2-30点の油彩があると思う。実は、最近カメラで撮影するというのが面倒で、近々撮影会をしなければという状態なの。

50号の大作もあるし、街に貼り出されたポスターも3つある。

ポスターを額に入れて展示するだけでも、結構逼迫するもんなあ。直筆サイン入れちゃおうみたいな。笑。

新規に追加になったコレクションと既存のコレクションは差し替える。

クラフト作品と、現代アート系の作品もあって、オシオッサさんの作品も2-3点同時に展示しようと思う。

彼女は、何でも、目に見えないものを展示するというのがコンセプトなので、会場には姿を見せないと話している。

まあいいか。

ある種の芸術性は感じないワケではない。

売れるか売れないかという話とは、別な場所にあるということである。

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