◆◆◆ 627 ★ 横浜方面の展覧会 ◆◆◆

2006.1.6

今日までの展覧会を横浜まで見に行く。

俳句のお友達が出展している、ZATUアート展。誰でも2000円で出展できる展覧会である。

どんな作品なのかを見に行ったのだが、レベルは高かった。

アマチュアというか、絵で行こうという決意を持った人の作品もいくつも展示されていて、「こういう展覧会もいいなあ」と思わされた。

横浜の市民ギャラリーは、1週間4万円程度でスペースを借りられるらしくて、それも、いいなと感じた。

足立区のギャラリー1010は、一日30万円位かかるんだよ。一日30万円だよ。

それで、誰も借りてが無くて赤字だから、税金で補填するらしい。

信じられないよね。

一体、誰が設計すると、こんなお粗末な企画になるんだろうと、気絶しそうになる。

何でも、区が第三セクターに丸投げしているらしいからね、ズサンすぎ。

そんで、区も財政難なんだってさ。

アタシは、この手の、市民ギャラリーとか、区民ギャラリーにもせっせと足を運んでいるけどさ、足立区は、質、コスト、サービスレベル共に最低レベルだぜ。

そんでもって、アタシは、目黒区美術館の展覧会に出展。どーよ。おかしいと思わない?

そのあと、横浜そごう美術館の谷内六郎展へ。

アタシは、この人のことはしならなかったが、「週間新潮」の表紙を描いた人らしい。

26年間も、毎週表紙を描き続け、死ぬまでに1300枚以上の作品が残った。

そうして、雑誌表紙の版権販売という収入があったために、彼は、原画を売らずに済んだのである。

1300枚の表紙原画は、作者の手で、ほとんど完全な状態で保管されており、それは、今度作られる、横須賀の美術館に寄贈されることになった。

生きているうちから、収入があり、絵の販売をしなくて済んだ作家さんというのは、絵がまとまって残るから、その後も、作品がバラバラにならないで、美術館などが引き取ってくれる。

寄贈だからさ、タダで引き取るんだよ。美術館はね。笑。

すごいビジネスだよねぇ。

フリーペーパーじゃないんだからさ。笑。

六郎先生の作品は、本当に可愛かった。

空の上に列車が走っていたり、小さな音が、いろいろな形で表現されている。

子供が出てきて、瓶の中を覗き込んでいたり、日常の、ほんのささやかな瞬間をユニークな視点で切りとっている。

瞬間表現、視点の面白さという部分では、俳句と同じ場所にある。

2500円もしたのだが、私は図録を買うことにする。

作品作りに行き詰まったとき、自分がほのぼのしようという計画である。

イロイロな図録があって、三岸節子とか、ピカソとか、宇野アキラなんかは、気に入って、身近なところに置いているけど、そのどの作品郡とも違う図録である。

美しい色彩は当然として、瞬間表現の描写と、独自の世界の中には、高い芸術性を感じることが出来た。

原画作品の完成度としては、稚拙だと思う人もいるかもしれないけど、印刷物になったときの素晴らしさというのは、別な場所にある。

原画よりも、印刷物が小さい場合には、線などが縮小され、もっと繊細な作品に昇華される。

何よりも、そのモチーフや構成の自由さは、美術館の美術品と呼ばれている、気品に溢れただけの静止した世界とは、別な場所にあるということである。

動きをもっと、手に入れたい。

アタマでは作品の芸術性のことを理解できても、なかなか、絵は動いてくれない。

六郎先生は、ほとんど何も見ないで、アタマの中だけで絵を構築したらしい。

なるほどねえ。

それもアリだよねぇ。

作家というのは、どのくらい、他の人と違う発想で自分の絵を作ることができるかなのだということを再認識。

私は、スタート地点に戻って、もう一度彼の作品を全部見ることにした。

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