◆◆◆ 573 ★ 吉村順三展、黒田清輝、キアロスクーロ ◆◆◆

2005.12.7

建築家の作品は、アタシには解説がないと理解できない。スクリーンのビデオを拝見する。

芸大の方というだけあり、「自分が感じることを建築にする。建築は、人間の完成である」と言い放つ。

だけど、「使う人、住む人にとって 、快適である」為に住みやすく設計されていなければならない」「ずーっと使ってほしい」

ということなのだそうだ。

彼は、若いころ、休みになると京都や奈良に足を運び、茶室という茶室を実測したらしい。

茶室の実測かぁ。

スゴイところに目をつけたねえ。

大きい日本家屋などと比較して、短時間で作れるし、日本の建築技術が凝縮されているしね、なるほどねえ。

気になる建物には、何回も足を運んで、ピンとくるまで見つめていたのだそうだ。スケッチしたりもしてね。

「人生が変わる所は、休暇をどう過ごすかにかかっている」

とも話されていた。

休暇かぁ。アタシにとっては、毎日が休暇のようであり、毎日が、仕事のようでもある。

展覧会に日参し、ブラブラと過ごしているのだ、収入が少なくても仕方ないぜ。笑。

吉村センセイは、俳句もたしなまれていたらしい。麻雀も。アタシと同じじゃん。(→アタシの場合、ゲームだけどさ@麻)

とりあえず、イロイロなことに手を出したのだそうだ。理解できるよ。

競馬だって、100円賭ければ、命がけで応援するもの。賭けたことなのない人には、解らない世界だよねえ。

芸大美術館から至近に、黒田清輝記念館がある。

木曜と土曜の短い時間に開館する記念館である。

噂は、展覧会めぐり愛好の方に聞いたことがあり、一度訪ねたいと思っていた。

閉館時間ギリギリであったが、なんとか間に合い、中に入る。

うっひょー。無料なんだ。

無料だよ、無料。

そうして、黒田の作品が、2つの部屋に分かれて展示されていて、間近に拝見できた。

それでも、この記念館の存在が知られていなのか、人はまばらであった。

アタシは、ヨーロッパの美術館の入館料、学生は無料というのを思い出していた。

毎日、好きなだけ絵を見ることができる。

感性豊かな若い時代に、名画に心置きなく触れることのできる国というのは、本当に豊かだと思わされた。

日本の入館料1500円、図録3000円に気絶しそうになるよなあ。(→北斎、それでも、30分待ち)

黒田の美しい色彩と、格調の高いフォルムが心に広がってきて、映像が脳裏に記録されてゆく。

そうして、最後に、キアロスクーロ展へ。

北斎を見たばかりだったので、こちらにはピンとこなかった。

西洋の木版画に期待したアタシがバカだった。西洋の版画は、エッチングと決まっている。

そうして、エッチングのような構図の木版画は、どんなに頑張っても、北斎には勝てなかったし、自国の銅版画にも負けていると思わされた。

動きのある画面には、躍動感があり、よっぽど図録を買おうかと思ったが、金が無いことを思い出した。

現実というのは厳しい。

とうとう、オットに働いてくれと再告されてしまう。

よくよく実態を知ると、画家で食べている人など多くない。

来年は、何か、バイトを探すかなあ。

どんなバイトにするかなあ。徒歩希望。

とりあえず、カレンダーを完成させて、ご依頼いただいている作品を仕上げよう。

はぁ。