◆◆◆ 552 ★ 日展・不忍画廊45周年展・イサムノグチ ◆◆◆

2005.11.16

頂いたチケットで、日展に足を運ぶ。

都美館で同時開催中のプーシキン展は、驚きの1時間待ち。

なんでも、今日は、65歳以上が無料の日で、日展と重なったため、この事態なのだそう。

当然に、プーシキンは別の日にアレンジすることにして日展をゆっくりと流す。

なるほどぉ。日本画のレベルは、結構高い上に、安定しているんだ。去年は、気づかなかったよなあ。

洋画はヒドイのもある。

よっぽど、つけとどけを頂いたのかと思ってしまうようなヒドさである。

まあいいか。

日展入選が、人生の目標という画家は少なくない。それは、悪いことではない。

別に、絵を売らなくても生活できるのであれば、そういう目標でも構わないと思う。

日展入選となれば、絵の値段がハッキリするので、地方などでは、絵が売りやすくなる可能性だってある。

ほとんどの作品は、ある程度のレベル以上で、モチーフがつまらないということ以外は、見ごたえがあった。

去年賞を取っていたピエロの人は、今年もピエロの絵だったので、隅の方に置かれていた。

同じことを繰り返しても、二度オイシイということは無い世界なのだと思い知った。

まあ、抽象は少なかったかもなあ。

審査している人が、そういう趣向なんだと思う。

それでも、独自の世界を感じられる作品というのは見当たらないムード。

アタシに、見抜く力が無いのかもしれないが、本当に力があったら、日展などはさっさと卒業し、画廊でプロデビューしているということなんだと思う。

立体は、去年のじゅんさんの感想の通り。

工芸は、見れるのもあった。というか、他の作品群と比べて、楽しめた。

書道コーナーかぁ。書道って、つまらないを再認識。ヨミウリ書法展は、レベル高かったんだと思う。

それでも、日展入選だと、書道教室の生徒が集まるもんねー。応募する価値はある。

そういうことのようである。

噂だけど、入選すると、センセイに、お礼にいくらかお支払いするのが普通らしいよ。

それって、いくらなんだろうねーっ。

1万円なのか、10万円なのか、100万円なのかって話よ。

それほどの価値がある展覧会とも思えないけどね。まあ、価値というのと、金の使い方というのは人それぞれ。

見る側も、展覧会入選でしか、絵の価値を評価できないという日本人の独特の市場がそこにある。

会員になると、次には、審査員を目指すみたい。つけとどけが大量に入ってくるのであれば、絵など売らなくても、生きてゆけるもんねーっ。笑。

なるほどぉ。審査員の人って、画壇から金もらえるのかと思ってたけど、生徒からもらうのかぁ。納得。

公募展を見て回る価値はある。

その後、不忍画廊の45周年展を見に行く。

アンケートに答えると、小さい図録と、ポストカード3枚がもらえるという大イベント。

そうして、池田満寿夫のエロエロ図録は、すでに購入済みだったアタシは、松本俊介と、もう一人のナントカさんは、どっちの絵が高いのか、ママさんに確認。

ママ「松本俊介の方が、ゼンゼン高いわよぉ」

オジャラ「どーしてですか?」

ママ「詩的な叙情表現と、内面を引き出した暖かい作風が、見る人の心を捉えるみたい」

オジャラ「完璧なご説明、ありがとうございました」

詩的な叙情表現かぁ。どんな絵だか、サッパリだぜ。

この表現って、よく解らない絵を説明(ホメル)するときに使う、最終兵器みたいなものなのかもね。笑。

その後、やっと、イサムノグチ展へ。

行ってヨカッタ。

今日の展覧会の中で、一番ヨカッタ。

1500円は高いと思うけどなあ。

一番気になったのは、厚紙を自由なモチーフにカットしてある、パズルのような作品。

それを、自由に組み立てて、立体を作るんだけど、ハマったわぁ。

アタシも作る。絶対に作る。

そうして、造形への思いというのは、やっぱり強くなっていると自己確認。

デカイと売れないから、小さいのを沢山作って稼ぎまくるぜ。(推定)

イサムノグチは、イロイロな芸術家との交流があって、その中の一人に、「地球規模で創作を考えろ」などと言われ、「地球に彫刻する」という思いに至ったのだという。スゲー。

地球に彫刻かぁ。

彼は、こうも言った。「自然全てが芸術である。創造を超えたフォルムに格調高さ。自然は超えられない」

自然かぁ。

和紙のランプは、ヒットだったよねーっ。売れるもん。日銭が稼げるよ。

石の彫刻はさー、そんじゃ、持って帰りますって品じゃないからねぇ。汗。