◆◆◆ 492 ★ カラーインクの本画制作 ◆◆◆

2005.9.8

猫のカットはいくつも描いたので、これをちゃんとした筋に仕立て直そうと思い立つ。

今年の課題、絵の完成度をアップ。及び、構成能力の強化。

去年までの目標、「つま先まで入れる」からは、大きな飛躍があるぜ。

みずゑというイラスト雑誌で絵本の公募があるし、(応募料はタダということもあり)ついでなので、これに出そうという計画だ。

最初、額縁屋のオヤジからもらった、アルシュのポスターの裏に描こうと思って、二枚くらいを作るのだが、紙が画仙紙のようで、インクが、地にしみ込んでしまい、細かい表現が難しいということが解った。(版画紙だから、仕方ないぜ)

うーむ。

前に練習を重ねていた、バラ模様のポストカードとは、(紙の種類が違うため)にじみ方が違うのである。

紙は重要だよねーっ。

翌日アトリエに行って、出来具合(乾燥すると、色が薄くなるので)をチェック。

この絵ではダメということは理解できた。

ガラスペンの美しい線描が、濡れた紙の湿り気で広がりすぎて、面白くないのよ。

そんなこんなで、今度は、先日ゲットした、文房堂の水彩紙に描くことにする。

さすがに、一枚目より、二枚目、二枚目よりも三枚目というように、インクの使い方の習得が進んでゆく。(下のが最初のヤツ。構図がイマイチだったし、色塗りも失敗。二枚目は、飛躍的に上達。)

まあ、この程度時間がかかっていれば、原画2万円ですといっても、買いたいと思う人はいるかもしれないよなあ。(絵も大きいので)

退色するよ。念のため。

というように、カラーインクは、刹那なアートなのだった。

アクリル系のカラーインクというのは、これよりも退色が少ないらしいんだけどね。

まだカラーインク作品は一枚も売れたことが無いので、買えないのよ。

こちらは、3枚目。

さすがにプロっぽいぜ。

なるほどねえ。

絵というのは、こういう作品のことを言うワケだよねぇ。

などと、しみじみ納得するオジャラ。

今までは、(絵が下手な上に、大きすぎで)小さい絵が描けなかったという、特殊な事情もあるんだけどね。

この絵は、絵本の原画なので、販売はしないんだけどさ、カレンダーとかに使いまわすのはイイかもね。

でも、公募に出すから、カレンダーになるのは、来年の秋ってことだよね。結果がでてからじゃないとね。

オジャラよ。

絵をしみじみと見て、この絵では、入選はムリというのが、理解できてるだろう。

ということなのよ。

絵を見返すたび、この絵ではダメだというのが伝わってくる。

でもまあ、そんな絵でも、描かないと、もっと上にはゆけないのである。

なるほど。左の絵とは、やっぱ、差があるわけよ。

左のだってさ、1000円位なら売れると思うけど。汗。

(絵も小さいのよ。念のため)

絵本は、基本的には、英語で作り(筋がつまらないから)ほとんど文字は入れない感じにしたい。

絵本だからね。

絵がメイン。

アタシの場合、カラーインクの作品でも、アタリなどはつけずに、一発で描くというのを繰り返している。

これは、一回カラーインクで細部まで構成を組み立てておくと、油彩を作る時の下絵のようなものである。

全体の構図は、一回描くことによって脳裏に叩き込まれるので、たとえば、油彩にシフトしても、サラの状態から、一気に完成に近い形で描画を進められるということになる。

アタリを失敗しないで描画できて、ある程度の構成ができていれば、物凄く短い時間で、作品が完成するということである。

これは、モディリアーニなんかも、よくやっていた方法で、彼は一人の肖像画を描く時に35枚とか、40枚とかの、イロイロなスケッチを描き、スケッチの中で、最終的な表情や、構図などを作り上げてしまうのだ。

そうして、一気に油彩に仕立て直してゆく。

そういうことになる。

ということで、風司さん、世界堂は、今回はパスってことで、ごめんねーっ。