◆◆◆ 456 ★ カラーインクの習作-2 ◆◆◆

2005.8.8

闇雲に絵を描いても、ゴミが増えるだけなので、小さい筋にして、あとで絵本仕立てにしようと思う。

何故英語なのか?

そりゃあアナタ、筋がつまらないからよ。たはは。

そうして、美しい色がグレーに濁った絵を見つめて、この絵はもうダメだと、絶望的な気持ちになる。

はぁ。

ケリーはいつもカラーインクで絵を描いていたんだけど、あるときこんなことがあった。

彼女は紙を探していた。

そんでもって、アタシが持っていた高級水彩紙なるものを一枚あげて、これで描いてみてという話になる。

買いに行くのは大変だからである。

そうしたら、その紙はちと古い紙で、いつもの紙とは違って、絵の具が広がってゆかなかったらしいのよ。

ケリーは泣き出してしまって、物凄く不機嫌に。

アタシのせいにされても困るぜ。

ご主人になだめられて、アクリル絵の具で加筆しはじめたんだけど、カラーインクのようには描けないわけよ。

そんでもって、その日は一日不機嫌だった。

絵に真剣だと、そーなるもんなんだろうか。

みたいな世界で、アタシは、泣いたりはできないだろうと思う。

大体、紙を切らしたケリーが悪い。アタシは、善意でたまたま持っていたお高いのを一枚分けてあげただけなのだ。

でもまあ、彼女の絵に対する思いというのは知ることができた。

何せ、その日のモデルはM嬢で、アタシが和服を着せてあげた日でもあり、彼女は、M嬢を描くのを楽しみにしていたからである。

それは、彼女がモデルを勤めた最後の日でもあった。

美しい女性だった。

どちらにしたって、アタシは、その後、ケリーにHPの作り方を教えてあげる。

そうして、ケリーは、ボロい中古のパソコンで、細々とHPを更新しているみたいである。

パソコン講習は、5回程行われ、最終日には、彼女はボロ泣きしていた。

もともと泣くという表現方法を多様する人生なのかもしれない。

イイ人である。

彼女の絵は、パステルで描く風景画というのと、カラーインクで描くヌード。

水性ペンで描く素描。

この三点。

どの絵も洗練されていて、流石に週三度もクロッキーに参加しているだけのことはあると思わされる。

そうして、ケリーの美しい「インクの女の肖像」を見て、何て差があるんだろうかと、自分の絵の至らなさに愕然とするのであった。

後半、黄色いインクで描画し、それに色を重ねるという方法にシフトする。

ドクターマーチンは高すぎて使えないし、もともと、黄色でアタリをつけて、他の色を重ねてゆくというのはアタシ独特の描き方で、油彩も、パステルも、そうやって描いているのである。

そうして、ガソリンスタンドのポンプの絵は、やっと一枚出来上がる。

Sくん。ガソリンスタンドの絵はムリという気がしてきた。

みたいなね。

だいたい、ポンプや、ガソリンスタンドのキャノピー、オイル、ワックスといった物体には、全く動きが感じられない。

あとは、ドライバーと店員さんとのやり取り系のカットが思い浮かぶくらいである。

これであれば、パチンコ屋ののぼりの方が、よっぽどアイディアが浮かんでくるというものである。

猫の絵や女の絵ばかりでは、イラストレーターにはなれないということらしい。

まあ、それをどう描くのか?

それが、作家の力ってことなワケだよね。

一冊買わないとなあ、、、、、。売ってない雑誌なんだけどさー。(完全に年間購読者だけで持っている雑誌社なわけよねえ。)

ガソリンスタンドの絵とか描いてると、嫌なことまで思い出してくる。はぁ。トラウマなんだろうか?