しゃぼんだま あおいそら (ブログ by 芸術家 おじゃら りんご)

◆◆◆ 4083 ★ 『画家の義務』 ◆◆◆

2020.3.13.

僕は作品の中に、

自分の思想を取り入れるように努めるのは
『画家の義務』だと考えている。

ミレーが信じていたような 高みにあるもの、

つまり、神と永遠性の存在を示す最も有力なシルシというのは

言葉にできないような 哀れの表現にある。
ヴィンセント ヴァンゴッホ

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農民の中にこそ、貴いものがあるはずだ。
自分もミレーのように、高貴なものを描きたい。
ゴッホは、ミレーの絵を何枚も模写して、習作に励む。

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様々な角度から、執拗にデッサンを繰り返し、そうした鍛錬は、5年にも及んだ。

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ゴッホが絵を描いていた期間が、僅かに10年だったことは、驚きに値する。
もっと、長生きしていたら、どんな絵に昇華されたんだろうか。
それとも、あのまま、純粋なまま、絵を描き続けられたのだろうか??

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画家仲間(ファン・ラッパルトら)から、

「物事を何故うわべだけで捉えるのか?」
「どうして動きを勉強しないんだ?」

その絵は、まるで、ポーズを取っているようだ。

ゴッホの反論 (画家仲間ファン・ラッパルトへの手紙)
「農民たちを描くということは、極めて弱い人間には、とりかかろうとすら思えないような種類の仕事なんだ。
僕は、少なくともそれに挑戦したし、ある種の基礎も築いた。君が考えているより、ずっと確かな、有益なものを掴んだ。
でも僕は、自分にできないことをし続けるよ。それができるようになるために。」

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以下私感。

このやりとりが象徴するものは、ゴッホには、友人もいたし、必要な時期に、適切な助言も受けていたが、その助言の重要性に気づく日は、死ぬまで来なかったということである。

しかしながら、ゴッホの絵の方が有名になり、画家の友人たちは、ゴッホ展の賑やかしに、小さく絵が展示される程度の扱いという実態も興味深い。

アタシが、一番驚いたのは、「ゴッホの画家仲間」という理由から、その絵を集めた研究者がいたという事実である。笑。

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絵がもし、精神的なものだとすれば、その、精神の崇高さは絵に出て、だから、見る者の心を掴むのだという結果になる。

私は、横山大観先生の言葉で、
「宗教的なこととか、哲学的なものがわからないと、絵が良くならない」

ということについて、長いこと考えていたが、ゴッホの絵を見て、その言葉の意味を理解したということになる。

ゴッホはこのあと、パリに出て、印象派の画家たちとの交流もあり、鮮やかな色彩を手に入れ、いよいよ、世界的に有名となったゴッホの絵に昇華されてゆくのである。

 

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コメント

a川「ゴッホが仲間から忠告されてた頃の絵と、現在評価されているゴッホの色彩豊かな絵は違うんですね。
ゴッホがミレーの模写をしていた頃の作品からだと、死ぬ前の絵は想像出来ないほど違うからなあ。」

りんご 「まあ、忠告の内容は、色彩についてではないですよ。(*゜▽゜*)ノ 動きとか、見たままを表現するだけではなく、思想的なものや、イロイロ入れ込んで作れという助言です。アタシは、このやりとりを、随分前にも拝見して、俳句と同じような助言の内容だと、ピンときたことがありました。笑。芸術も、文芸も、目指すべきところは、同じなんだと思い、俳句は特に、それからは熱が入りました。笑。そっちかよ。」

 

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a川「晩年(でいいのかな)の絵を観たら、動きがないとか思想がないとは言われなかったんじゃないかと、私は思ったのでした。
そりゃ、上手くならないと、動きや思想は伝わらないからなあ。
でも、良い忠告で、絵も文章も芸術一般に、そういう表現を目指さないと、技術の訓練だけでは薄っぺらな作品になるからなあ。

りんご「そうねー。結局、ゴッホの絵の方が高いんだから、あれでヨカッタんじゃないかなとは思う。笑。ゴーギャンの絵と並んでも、ゴッホの絵の方が、圧倒的にオーラ出てると思うことの方が多いもん。

 

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a川「ゴーギャンの作品は当たり外れが激しいけど、当たりの作品でも、ゴッホほどオーラはない。
うん。
ホントにそのとーり。

りんご「まあ、絵具の厚さによる、キラキラ度合いとかもあるとは思うけどさ、絵というのは、同じ場所に並ぶものだからね、やっぱ、並んだときに良い絵が勝ちなんだろうと思う。(*゜▽゜*)ノ だから、自分の信じた道を歩き続けることが、一番大事なんだよと、今は思う。関係ないけどさ、sunは、コロナが収束するまで、木・金・土のみ営業に縮小されるらしいよー。

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