◆◆◆ 398 ★ 加山又造、大島哲以と菅野陽、北斎と広重 ◆◆◆

2005.6.16

この後、日本橋で下車。

タカシマヤで開かれている、加山又造の展覧会に足を運ぶ。

加山又造という人のコトは、全く知らなかったが、絵を見て、この絵は見たことがあるという巨匠であった。

もともとは日本画の人で、版画に写しだされたその線は、潔く、どこまでも迷いの無い線である。

お客様は、収集愛好でこざいますという筋の方ばかり。

それほどの混み具合でもなくゆっくりと見ることが出来た。

所々に、版画の技法説明というのがあり、版画初心者でもゆっくりと楽しめる展覧会だと思う。

ヌードバリバリというのも続いていて、その辺が子供向けではないとは思うのだが・・・。

図録コーナーには、版画芸術という雑誌の最新号が置かれていた。図録は作らずにこちらで代用という感じ。

今回の版画芸術には、オジャラの銅版画のセンセイ、作田富幸氏も4ページも掲載されていたので、一石二鳥と思い、こちらをゲットする。

オメデトウっ!先生っ。

その後、東京駅前の不忍画廊まで歩く。

タカシマヤからは徒歩5分程度。

ここで、お茶を頂いて、一休みしてから、ミツコシに流れようという計算である。

おいおいっ。(銀座・日本橋巡回ルートには、この画廊は置いている作品の筋がイイので、必ず入っている。)

そうすると、「美術の窓」の営業担当クンが、オーナーさんとお話中。

お茶を飲みながら、「オジャラも、MADOに、広告を出そうと思ってたんだよねー」と話す。(本当)

美術雑誌といえば、ギャラリーかMADOしかない。

ギャラリーが900円、MADOは1600円もする。

毎月、画廊の展覧会情報をとりまとめて、良いと思われる展覧会をピックアップして紹介してくれる。

行ったことのないアナタは解らないだろうが、ポストカードの作品が一番イイという展覧会は多い。

それでも、見たければ(正確には、近くて、会期中で、ついでに寄れたらば)行くけどね。

MADOの営業君は、オジャラに名刺を渡してくれる。

オジャラ「ポストカードを作ったら、送ります。次回(12月)の個展は、広告も出そうかと思っているんで。

あ、でも、その前に、広告を出す程の絵になればですけど。」

みたいな、消極的な話になる。

オジャラよ、広告の前に、ポストカードを作ったらどーなんだよっ。その前に、画力をもっとあげることを考えろっ。みたいなね。

個人で個展の広告を出す作家っているんだろうか?

広告出すとしたら、雑誌ギャラリーステーションの方なんだけどね。

理由っすか?美術品じゃないからね。MADOはどっちかっていうとさ、美術品筋なわけよ。

ターゲットが明らかに違うのよね。

もうちょっと、熟読してからにしよう。

大島哲以と菅野陽展。

今回のは、結構ヨカッタ。

アタシが、不忍さんの展覧会で驚くのは、毎回、DMを送ってくださるのだが、銅版画の生徒さん達は、全員が価格までを熟読しているということである。

マジっすか?

画廊経営って、カタログ通販みたいな所があるんだねーっ。

それでも、それぞれが誘い合わせて、お教室の後に寄ったりして、お手ごろということもあり、気に入ると買ったりもしているみたい。

ある程度、版画を飾るようになると、オフセットのポスターなんて、何があっても飾りたくないという気分になるんだよね。汗。

まあ、画廊の筋もあると思うけどね。

どの画廊でもイイということでもないということのようだ。

画廊経営というのは、奥深いぜ。

そんでもって、北斎と広重展へ。

今回の点数は、物凄く充実していると思う。

今日一番の混み具合。

無料券大量発行で、見たくも無い人も混じっているというのはいつものことである。

それでも、有料だといいながら、タダでチケットを配って、集客するという手法は悪くないし、客の少ないデパート程、悲しいモノもない。

ミツコシの展示品は、相変わらずシミだらけで、そのことに驚くよなあ。

版画なんだから、もう少しあるような気がするけどねえ。

北斎も、広重も、どっちも甲乙つけがたく、アタシには、どちらの絵だかという見分けも、付かないさくひんもいくつもある。

広重が、晩年、北斎の絵に似てきているというのがあるせいかもしれない。

どっちもイイ。

まあ、こんな感じだろう。

大量に並んだ作品を見て驚くのは、その質の高さである。どの絵も、それなりに良くて、時々、おおっ、これはイイという絵が混じる。

あんなに作品があるのに、その繰り返しなのである。作品の完成度というのは、一度高い場所まで上がれば、恒常的に安定して作れるようになるということなのだろうか?

ショップの方はといえば、3万円程度の複製木版画の売れ行きはイマイチであった。

ミギシセツコの複製リトグラフ37万円圧勝。

というように、安ければ売れるということでもないのが、ミツコシの奥深いところである。

おじゃら画廊のHP

Established 1998 Rica's Bar WEB SITE & Since 2003 Atelier Ojara.

Copyright (C) All Rights Reserved by Rica Ojara.