◆◆◆ 326 ★ 著作権について考える ◆◆◆

2005.3.27

HPで作品の展示をしているとか、電子本を無料で配布しているとか、そういう話をすると、アーティストの人は、「著作権とかは大丈夫なのか?」という疑問を抱くらしい。

アーティストの公式HPであっても、絵が全く載っていないという人もいる。

あれはあれで、不思議なんだけどねえ。

大切な著作物なので、ネットでは公開しないのだそうだ。

プロ意識というヤツなのか?

それとは逆に、大量に画像が掲載されている、力の入ったプロの作家さんのHPというのも見たことがある。

どちらが、正しいのか?

それは、作家さんが、自分の作品をどう考えているのかというのによると思う。

もっと沢山の人に見て欲しいと思えば、展示数を増やすし、数枚でも力が判断できるような作家さんは、それ以上は出す必要がない。

マーケティング理論に照らし合わせて考えると、「接触頻度が増えると、好感度が高まる」という事実があり、それに沿ってHPを設計すると、絵の展示数は多くなってゆくということになる。

電子本は、データ盗難に遭うと、金は稼げないが、実物の絵の盗難というのは、盗む方にもリスクがある。

どちらも犯罪であるが、刑の重さが違うということである。

アタシにしてみれば、実物を買ってくれればそれでヨイのである。

実物を買ってもらうためには、まず、作品を知っていただくということが大切だと思う。

絵は大量に描けるのだし、サインを入れないと、誰の絵かわからないようなフツーな絵でもないし、お金を頂いているイラストなどは、当然に、ネットでは公開していない。

展示している作品は、選別されているということだ。

てぬぐいのデザインに関しては、アタシも、ドローイングや、日々の創作活動の一環としての取り組みもあるので、先方さんに許可を取って、一部を公開させて頂いている。

雑誌の表紙の絵が、発売前に外に流れてしまうのとは、違うということである。

アタシも、別にパソコンで作って、ポンと納品すれば、アットいう間に完成する柄を、一個一個手で転写して、マイペースで作っているのである。

一個一個のデザインに愛着が沸き、沢山の方に使って頂ける品になると良いなと思いながら色を塗る。

そういう、作品との対話というのは大切だと思えてくるから不思議である。

自分の著作物はまあいい。

自分の責任で、自分のデザインを盗用されるリスクと、それ以外のプラス効果を勘案して、自分で決断するものだからである。

今回したかったのは、人の作品の著作権を自分が侵害していないのかという話である。

なるほどねえ。そう考えると、理解しやすいぜ。

個展ご案内用のポストカードなんかは、アタシも、HPによく、貼らせて頂いている。

CDジャケットとか、雑誌の表紙なんかも、露出しても良いという暗黙の了解みたいな部分があるという話を聞いたことがあるからである。

こんなHPでも、それ以上の話は気をつけてはいるつもりなんだけどね。

美術館の展示物なんて、誰が撮影しても大差ない。もし、差が出るとすれば、その写真家はスゴイ。

それは理解できる。

正倉院の図録なんて、何十冊もこの世に存在していて、どの展示物だって、大差なく撮影されている。

ガイドブックや仏像の本、ポストカード。ありとあらゆる印刷物になり、同じ仏像の写真は、あちこちに散らばっているのだ。

でも、自分で撮影したとは言い張れない。アタシは東京在住なのよ。

とりあえず、少し調査



著作権法

(美術の著作物等の原作品の所有者による展示)

第四十五条  美術の著作物若しくは写真の著作物の原作品の所有者又はその同意を得た者は、これらの著作物をその原作品により公に展示することができる。

 2  前項の規定は、美術の著作物の原作品を街路、公園その他一般公衆に開放されている屋外の場所又は建造物の外壁その他一般公衆の見やすい屋外の場所に恒常的に設置する場合には、適用しない。

なるほどぉ。外に置いてある品物であれば、著作権法は適用されないのか。

所有者の許可があれば使ってもよい。ということだよねぇ。うーん。

所有者は公開権があるのか。なるほど。

でも、奈良まで行けないからなあ。

(公開の美術の著作物等の利用)

第四十六条  美術の著作物でその原作品が前条第二項に規定する屋外の場所に恒常的に設置されているもの又は建築の著作物は、次に掲げる場合を除き、いずれの方法によるかを問わず、利用することができる。

 一  彫刻を増製し、又はその増製物の譲渡により公衆に提供する場合

 二  建築の著作物を建築により複製し、又はその複製物の譲渡により公衆に提供する場合

 三  前条第二項に規定する屋外の場所に恒常的に設置するために複製する場合

 四  専ら美術の著作物の複製物の販売を目的として複製し、又はその複製物を販売する場合

複製物の販売を目的としている場合には、外の建築物であっても、許可がないとダメなんだよねぇ。やっぱねぇ。

てぬぐいが、複製物に該当するのかも調べないとな。

商品化するって、大変なんだねえ。

ということは、所有者から利用許可を得た図録を使うのか、著作権利が切れた図録を使うのか、持ち主とか著作権者、出版権者の許可を得るのか、所有者の許可を得て、自分が撮影した画像やスケッチを使うのかのどれかということになるわけか。

そうだよなあ。アタシのHPの写真を見て、それをパクった作品を勝手に売られたりしたら、ムカつくもんなあ。

でも、国宝なんだよ????

国宝自体の著作権は無いはずなんだけどね。

みやげ物のポストカードとかってどーなってるんだろーねぇ。

やっぱ、それなりの金払って撮らせてもらっているってことなんだよねー。きっと。

逆に許可が取れれば良いという話だよね。

許可はアタシには取れないのよ。

今回のてぬぐいのデザインでは、アタシは、大量の図録を入手して、イロイロな本を見ながら、アチコチからモチーフを自分なりに抜き出して作品を作っている。

二次的作品の著作権は、作成者に帰属するんだけどね。

図録を見て他の作品を作るというのが著作権の侵害みたい。

ほとんどの作家さんは、図録とかを見て、何かを作っていると思うけどなあ。パクリとか転用とかそういうのではなくてさ。売るのでなければ、大丈夫なんだろう。きっと。売ってる人もいるはずだけどねー。

バレなければなんでも良いというのとは違うということのようである。

どちらにしても、てぬぐいデザインは、許可されていない図録を模写するのはもうよそうと思う。自分で撮影するのか、自分でスケッチした作品以外は、自分の作家生命までも縮めてしまうからである。

罰金300万円も嫌だしさー。

奈良から遠ざかるけどなあ。

天使のてぬぐいは、女将さん困るだろうしなあ。

こっこの仕事は、ムリってことなのかもなあ。

せっかく掴みかけたものがあるのに、残念だわあ。

許可されなかった場合断念ってことだよねー。

もしくは、完全オリジナル柄で勝負。売れないかもなあ。

許可されるかどうかはまだ解らない。

相手が国立博物館とか、正倉院だもんねぇ。タダではムリだろう。汗。

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