◆◆◆ 258 ★ 最初の一枚 ◆◆◆

2005.1.6

2005年の最初の油彩は、バラになった。

机の上にカンバス40枚が乗ったままで、大きいペン画のドローイングができないので、まず、全部を下塗りし、乾燥棚へ移動する。

一回目は、大作用ジェッソの余りを使って下塗りすることにする。

世界堂中目カンバスは、中目というよりも粗目という感じもする。

アタシの絵には合っていると思う。

追加でF10も4枚を下塗りする。もう乾燥棚が満杯になってしまって、これ以上置けないのである。

今回は背景の色をぐっと濃くしてみる。絵の出来は全体の濃淡で決まるので、花を際立たせたい時には、背景を暗くするというのが基本的な絵の考え方である。

同じような色の絵ばかり見ていると、それはそれで飽きてくるものである。

人間というのは、飽きっぽい。

猫はアトリエに来るときには、物凄い不満を述べるようになる。

更に、今日は、バラの絵に乗ろうとする。

まっ、前足に絵の具がぁぁぁぁ。

はぁ。

この先、この猫とやっていけるのか不安。

それでも、アタシが物凄い勢いで叱るので、机の上にはだいぶ乗らなくなっている。

なんであんなに騒ぐのかと思っていたら、天井裏はネズミの通り道になっているみたい。

今日は天井裏に入れたら、かなり機嫌を直したようだった。次から、ソワソワしたら、天井裏に直行させよう。

サムホール(写真左)サイズのカンバスの下塗りは、あっという間に出来るのだが、このカンバスは、アタシには小さいなと最近思うようになった。やってられないぜ。

今日描いたのはF8程度の作品であるが、あの大きさだって、アタシにはたいして大きくはないのである。

もっと伸び伸びと描きたいもんだ。

どちらにしたって、大きい作品を描くには、もう少しアトリエのモノの配置を工夫しなければならない。

とりあえず寒いので、メインの作業場以外では創作はできない。

が、展示スペースを削って作業スペースを確保するしか方法はない。

どこか、シャッター付きのガレージでもレンタルしようと考えていたが、もう少し売れるまで、ここで粘ることに決める。支出があっても、収入の目処が立たないと、創作活動そのものが破綻してしまうからである。

ガラス絵も完成させないとなあ。

もう少し花の絵を沢山作ろう。

これはこれで、キラキラしていて、結構キレイなのよねー。

アトリエが狭くて、あまりイイ場所に展示できないことを除けば悪くない。

画廊の展覧会で、赤丸大量(→沢山売れているという意味です。)の企画展なんかを見ると、大きい絵は1-3点は、会場の箔をつけるために置かれていて、売れている作品は小さくて、手ごろな価格の品に限られている。

そーだよなー。

銀座の小さい画廊なんかで扱っている絵は、デパートの絵よりも数段安い。

ケタだって、10万円を切る価格からスタート。

版画に至っては、一万円を切る小品からあるもんなあ。

放送大学の番組で、アーツ・マネジメントという回を見る。

主にCDの流通についての講義だったが、著作権の保護については興味深かった。

イロイロな権利が総合してCDやDVDなどの形にパッケージ化されているので、権利への報酬をきちんと支払える仕組みが整っているということである。

なるほどねぇ。

CDにも出版社というのがあるんだ。それから、それを統括する協会。図書コードを取りまとめている団体みたいなもんかもなあ。

アーティストにも、それぞれのプロダクションがあり、それが合流して形となって流通するということである。

出版物やCDなんかと比較すると、絵や写真の権利を主張する仕組みとか、保護する機能というのは遅れているぜ。

遅れているから、営業能力が高い人の値段だけが上がってゆく。

営業能力が高いというのは、知名度を上げられた人という話である。

最近、有名人の名を語る『カタリ詐欺』が流行っているのだそうだ。日本人は有名人に弱いらしい。

販売の側から見れば、それはとても、販売しやすいということを意味するのだが、少なくとも買う人が、知名度ではなくて、価値に着目して売買が行われなければ、いつまでたっても、美術界の発展は無い。

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