◆◆◆ 233 ★ 天使増量中 ◆◆◆

2004.11.24

個展の時、若い殿方から、薔薇の花を頂く。

さすがにフランスから帰ってきただけのことはある。

日本で育った男には、真似できないさり気なさである。

薔薇というのは、いつもらってもウレシイ。

ちなみに、あんなに持ってくるなといっているのに、お菓子を大量に持ってくる人多数で驚く。

アタシは本当に食べないし、今回の個展は、週末だけダラダラと続くので、その間に悪くなったりしてしまうじゃないのよ。

ということで、出来ればそのご予算は、チャリティーに回して、小さいスケッチなんかを持って行ってやってください。

ウチの個展は、物凄く不便な場所でやっており、頂いたお菓子ほど人がきたりしないのです。

どーしても、何かもって来たい人は、赤ワイン(イタリア産)の辛口にしてください。

一番安いのでも、イタリア産は十分に美味しいです。

何故フランスワインではダメなのかというと、フランスワインは、高くてもはずれると、飲めない場合があるのです。

イタリアワインは、どんなに安くても飲めます。

そういう理由です。白の場合は、シャルドネ系で、お安いのでも旨いです。

それ以外は、頂いても、ゼッタイに料理に使われてしまいます。念のため。

あ゛ーっ、読者教育も楽じゃないぜ。

早速薔薇を描く。

まあイイ感じである。

薔薇は丁度いいので、リト刷りのカレンダーにしようと思う。しかし、ペンで描くのは久しぶりなので、とりあえず、調子がでるまで、ドローイングを繰り返す。

次号の雑誌の表紙の図案を考える。

猿がパソコンをやっていると、パソコンの中から鳥が飛び出てくる絵にしようなんて考えているのに、どーしても、猿が描けないし、鳥も、ニワトリのスケッチがあったとおもうんだけど、出てこないし。

はぁ。

絵が下手だと、頭にくるぜ。

そんでもって、違う柄になってしまう。

構想はヨカッタと思うんだけどなあ。

力が足りないというのは、全くアタマに来る話で、もっと練習を重ねなければと、決意を新たにする。

折角、こういう柄にしようという、描きたい絵が浮かぶのに、自分の力の無さで、それが描けないというのは、自分の努力不足に他ならないからである。

最近凝っている、ピエロの女性。

悪魔系の衣装なんだけどね。

濃淡のつけ方が難しい。

もう少し、メリハリをつけないと、絵が散漫である。

これが、大きい絵となると、全体的な構図を考えなければならなくて、遠目でヨシ、近くで見ると、ヒミツが隠されている絵というのが、アタシの目指している作品である。

絵を見たら、笑っていただきたい。

謎を解いてもらいたい。

まあ、俳句系の発想だが、そういう、笑える絵というのは、見る人もきっと楽しいに違いないのである。

そうして、アトリエに絵を買いに来る女性は、全員が天使を求めてやってくる。

全員だぜ。

そんなこんなで、天使は品切れ気味であり、アタシは、また描かなければならなかった。

在庫が無いと、人は花の絵やヌードの絵に流れてゆく。

そんでもって、『天使の絵が欲しかったんですけど』などとキッパリ文句を言い帰ってゆく。

『そんじゃ、この次までには描いておくね。』みたいなやりとり。

リクエストに弱いアタシは、天使を増量中。

この水彩紙にペンで描いた作品は、流石に、黄ばんだ、タダで頂いた紙に描いたよりも高級感があり、どんどんと売れてゆく。

うひょー。

世の中の人はリッチだぜ。

一人で二枚買う人もいる。

そうしてアタシはケリーのことを思い出していた。

毎週4回あるデッサン会で、彼女は、安い紙にペンでヌードを描いて、それを一枚180ドル程度で販売しているのである。

彼女の素描は美しい。

A3ほどの紙に3人ほどのヌードが描かれて、それは額に入れられる。

180ドルというのが高いか安いかといえば、なんともいえない。日本で買うよりは安い。

しかし、デッサンはあまり売れたりはしない。

その横で、色がついたのが300ドルとか450ドルで売られていて、そっちは売れるのである。

アタシも二枚持っているが、ウチの母は、ケリーの絵を見る度に、『アナタもこれ位描ければ売れるのにねぇ 』とため息をつくのだった。

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