◆◆◆ 207 ★ 抽象画?-2 ◆◆◆

2004.10.16

北千住のマルイの展覧会で見た抽象画のようには、なかなか描けないというコトが理解できたので、もう一度見に行く。

徒歩で、しかも無料で見れて、貸切なのである。

だいたい、小さいギャラリーが一つも無い町なのだ。

全くどうかしているぜ。

そうして、作家先生の名前を確認する。

岡本弘子先生。

美しいパステル調の色の、伸びやかな線が美しい。

どーということのない色を組み合わせて、画面の上に置いているだけなのに、それなりに出来上がっている。

アタシが日参するということは、得るものがある作品ということに他ならない。

そうして、あとりえに戻り、抽象画をもう一枚描いてみる。

なるほどぉ。

同じように描けないというのは理解できた。

アタシはもともと厚塗りで、彼女のように、薄く何度も塗り重ねたりは出来ないというのも解った。

まず、自分を知るというコトが大切である。

これは、前にカエルの絵を描いたやつの上に描いている。

カエルを描いて売る話は何処へいったんだろう。

どちらにしたって、この絵はいくらでも描けるぜ。

でも、上の絵と比較したって、

『オジャラ絵でこざいます』

というオーラは感じない。

そうだよなあ。

具象の方が、作っていてウレシイしなあ。

それでもまあ、イロイロな作品があると、見に来る方は選びやすいので、こういうのも何枚か作ることにする。

買う人は、作家の個性を重んじたりはしない。

自分が好きかどうか、自分の部屋にマッチしているのか。飾れるのか、買えるのかということだけが、購買決定要素になる。

北千住マルイのギャラリーで店番を頼まれていた女将は、額縁屋のオヤジと同じで、デパート出入りの画商であった。

そんでもって、女流新人作家さんで、西部デパートで展覧会を開いたら、完売したコがいたという話になる。

ところがその後、彼女は『他の所で展覧会を開いたりしちゃって、(デパートから)ホサれた』のだそうだ。

オジャラ『なるほどぉ。筋を通さなかったんですね。それじゃあ、仕方ないですよね。運も才能もあったのに、自分でダメにしちゃったんですね。』

女将『そうなのよ。』

オジャラ『まあ、画家というのは、もっと自分の身入りを増やそうと思うのが普通ですからねえ。日本の美術教育は、その辺の商売の仕組みについての教育が不足していますよね。』

絵画販売に関しては、販売主と『共存』して成功するのか、自分で販売するのかのどちらかしかない。

人間というのは欲深い。

しかし、画家として一番大切な能力は、沢山作品を生み出せる能力だ。

沢山作れて、その作品が優れていれば、筋など全く通す必要がない。

勝手に売れるからである。

どの画廊だって扱って、人気筋の作家なのであれば、自分もおこぼれに預かりたい。

そういう『優れた作品を大量に描ける人』は何人もいなかったということである。

女将とは、『売り絵』の話にもなる。

女将『どんな絵描いてるの?』

オジャラ『まず、自分の作りたい作品を描いて、失敗したら、バラなどにして売り絵も作っています。アタシの絵は激しいので、普通の場所では売れないです。』

女将『そうなのよね。オカモト先生(みたいな作家さん)は、売り絵は描かないから、売れる場所で扱ってもらえないのよね。』

自分の道だけで行けば、貧乏画家という構図のようだ。

たかだか、徒歩圏内のギャラリーに行くだけでも勉強になるぜ。

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