しゃぼんだま あおいそら (ブログ by 芸術家 おじゃら りんご)

◆◆◆ 2987 ★ 絵巻展@ サントリー美術館 ◆◆◆

2017.5.9.

絵巻展@ サントリー美術館

知人でチケットをくださる方がいらっしゃり、拝見することができました。

絵巻というのは、古いお品物で、総じて傷んでいる場合が多く、そういった作品を見ると、ちょっと悲しくなります。

色が良く残っているなというものや、表装だけ作り直したのかなとか。
内容がボロボロで見る気がしなくても、そのお作品が、今までも、これからも大切にしてくださる方がいる、価値の高い品物なのだというのは理解できます。

作品の価値というのは、誰が決めて、誰が金を払うのか。
そこが重要です。

とくに、平安時代の、牛車なんかを取り巻く役人の群像表現などは、
「この絵は、一体、どこから書き始めるのだろうか。」
ということばかりが気になります。

屁ひり物語にせよ、幻想的な物語にせよ、軽やかな動きを見逃すことはできません。日本人のマンガ好きは、もう、何百年も前から続いているのだと思わされますね。

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絵巻の鑑賞のもう一つの醍醐味は、書にあります。
書のあとに、絵、そのあとに、書、また、絵という風に、反復されます。絵の中に、カンタンな、マンガの吹き出しのような説明があるものもあります。

書の美しさも、巻物全体の格調を左右します。
下手だからといって、悪いということではないんですけど、美しい絵だと思う絵巻には、良い書家の書により構成されており、バランスが取れているというのが感想です。

当時は、こういった書物は、手で模写をしながら巻数を増やすというのが普通でしたからね。新入りが、頑張って模写しましたが下手でごめんなさいもあれば、ヒマヒマな皇族が模写して、下手でごめんなさいもあり、奥深いと思わされました。

絵巻も、バベルも、シャセオールも、今回は、見送ろうと思っていましたが、皆様のお心遣いで、拝見することができました。
ありがとうございます。感謝します。

 

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