しゃぼんだま あおいそら (ブログ by 芸術家 おじゃら りんご)

◆◆◆ 2958 ★ 長谷川利行 ◆◆◆

2017.4.24.

この前、近代美術館の常設で、長谷川利行の作品が何点かまとめて展示されていた。

テレビでは何度も見たけど、やはり、実物というのには説得力がある。
特にこの人は早書きだったからね。

近美ぐらいになると、さすがに、ダンボールに書いた絵とかいうのはなかったわ。笑。

アタシが美術館に足を運ぶのは、主に、その大きさを確認するためである。
テレビだと、実際のスケールが分からない。
次は、絵の描かれた順番を推測して歩く。

テレビでは、凹凸などが伝わりづらいからね。
どのように、この絵が描かれたのか。
というのを考えながら見続けると、それなりの知識の蓄積ができる。笑。

だいぶ見て歩いてるからね。

例えば、この前のミュシャの絵。
下地に、バーンと赤とか青とか塗っちゃうんだよね。
その上に人間を描いていくんだけど、
たぶんだけど、カンバスの下塗りをちゃんとしていないんだよね。カンバス布は、帆布だからさ。
油絵具をいきなり塗ると、油が全部、帆布に吸われちゃって、絵具がよく乗らないんだよ。

時代的なものや、金銭的な事情もあるとは思うけど、他の絵も、似たようなマチエールだったから、好んで、このようなスタイルの絵を作っていたと類推できる。

この技法は、実は、ダリの絵もそうなんだけどさ。
ダリの絵は、細目のカンバスに、下塗りをシッカリしていて、画面をツルツルに近い状態にしてからさらに、ツヤツヤの絵具で一気に書き上げてゆくスタイル。
似た感じの作り方なんだけど、マチエールや、絵の出来上がり具合がずいぶんと違う。
まあね、ダリは、ダリだからね。笑。


それだって、スラブ序曲の連作も、実際に見なきゃ、あんなに大きいことは理解できないもんね。笑。

早書きの人の絵というのは、汚くなりがちである。
売買されている絵が汚いということありえない。

ので、
それなりのテクニックを持ち、創作に挑んでいるということになり、早書きの絵の描かれ方を推測することは、すなわち、
そのテクニックを学んでいるということになる。

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利行は、アトリエを持たなかったので、そのほとんどの絵を屋外の現地で作り、その場で仕上げていたということになる。

佐伯祐三や、オギスなんかも、毎日二十号のカンバスを二枚担いで、パリの街に出て、日が暮れるまで書いて帰ってきたという記録がある。

毎日二十号を二枚。

スゴイよな。笑。笑うしかない。

たぶん、どの人もほぼ、現地で完成させていたんだろうと思う。
風景というのは、時間がたつと記憶があいまいになるからね。

アタシの感覚だと、その時の集中力が切れると、同じモチベーションで作品に挑めないんだよね。
イロイロな画廊なんかを回って絵を見て歩いて、自分の絵の完成度をもっと上げたいって思った時期もあるんだけど、加筆しようという意欲がものすごく低いのよ。笑。

なんか、嫌々加筆してる感があってね。
出来上がると、それなりにいいんだけどさ。
時間かかっても、一時間で描いても、売れるのは同じ値段だしね。大汗。

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(メモ 星裕典さん)

名前をメモしただけです。

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利行の絵は、なんだろうね。
前にも似たような話を書いたけど、
やっぱり、絵で生きようという信念しか感じない。
上手いわけじゃないし。
それでも、画壇系の絵で、こういう絵の人は何点かしか見たことがない。
いないわけじゃないけど、まあ、利行のパクリといえばパクリだし。笑。二番煎じは軽蔑されるだけである。

 

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