◆◆◆ 2304 ★ 上村松園 「序の舞」◆◆◆

個人的な感想にはコメントの前に*印

上村松園 「序の舞」

2015年9月25日 12:04

生涯に渡って格調高い女性の美人画を描き続ける。

松園の後に松園なし、松園の前に松園無しとたたえられる。


神々しい気品が作品からあふれ出ている。


*松園が追い求めた理想の女性美とは。


平成十二年に重要文化財に指定される。

「いかにも両家のお嬢さんといういでたち」

目を見張るような美貌も官能美もない。

画面にはピーンと張りつめた空気が漂う。

並々ならぬ決意が漲る、一部の隙もない立ち姿。

「キレイだけど色気に欠ける」

上村松園

昭和二十三年 女性初の文化勲章を受賞。

−−−−−−−−−−−−−

「序の前」の女性が美しいと思えるのはなぜか。


「私の美人画は単にきれいな女の人を写実的に描くのではなく

女性の美に対する

理想や憧れを描きだしたい。」



何所に行くにも縮図帳(スケッチブック)を持ち歩き、どこででも描いた。

女性だからこそ描ける普遍の舞姿。


男性社会の画壇で、松園が救いを求めたのが美人画。


女性にしか描けない女の美しさ、尊さをあぶりだし男社会の画壇に示すことであった。

卑俗なところが一点もない、清らかで美しい女の姿を。

これ以上気品のある美人画は無い。

「見るものを引きつけながらも、近寄りがたいものを描く。」

品格を描く。


−−−−−−−−−−−−

*確かに、美人画というのは、もう少し色気があるもんだよね。(*°▽^*)

アタシは、前々から、この絵のどこが、松園の傑作なのかということは、

疑問であった。


軽やかな動きもないし、制止した緊張感というのは、説明されればわかるけどさ。

説明されないと気付かないし。(~_~;)


おじゃら 倫子 白兎様、前衛芸術はほぼゴミでできています。

序の舞の二段落とし。

静かな一段から、激しい動きに代わる、力強い動きに代わる瞬間。

静かな動を丹念にスケッチを重ねる。

全体に緊張感を行き渡させる。


女性のまなざし。

何を見ているのか。


「今までにない、最高の美人画を描きたい」

執念の傑作。

おじゃら 倫子





キリっとした眼差しの先には何があるのか。


『何者にも犯されない女性の内に潜む、強い意志をこの絵に表現したかった』

独り立ちする女の強さ。自分が理想とする女性、母親のイメージがあったかもしれない。


*彼女には子どもはいたけど、夫はいなかったからね。

自分の母親も、父親が早く亡くなり、女手一つで彼女を育ててくれた。

男運の無い家庭だったよな。



「私を産んだ母は、私の芸術までも産んでくれたのである。」


悲しみのどん底であっても、傑作を描くという、決意。母に敬意と感謝を込めた。

これからも画家としての人生を迷わず生き抜く。

今から、本当の画業が始まるのだという、松園の決意。

それを示す渾身の一枚。


*なるほどぉ。


「最愛の母の死まで、絵のコヤシにしてしまう。恐るべし松園。」(コメンテイターのセリフ)


松園が目指したのは、自信に満ち強く生きる女性の美しさ。

それこそが、画家が求めた理想の美人画である。

序の舞

女性だからこそ描ける普遍の舞姿。


おじゃら画廊

Established 1998 Rica's Bar WEB SITE & Since 2003 Atelier Ojara.
Copyright (C) All Rights Reserved by Rica Ojara.