◆◆◆ 1931 ★ すみれちゃんの話-2 ◆◆◆

インターネットラジオFM北千住 ときどきゲリラ的に収録・生放送

(あとはいつでも見れますよん)

2013.12.29.

苦情の二時間後、彼女は、文句を言ったことを悪く思ったのか、自家製の「ぬかづけ」を届けるという電話をかけてきた。それはそれで面倒くさい。

いらないと断ると気を悪くするので、少量を頂くという返事をする。明日の午前に、ポストに入れておくからという内容の電話。

結局、次の日、四時半ごろにこれから行くという連絡がくる。

アタシは、この時間に電話をかけてくる場合、彼女が到着するのが六時過ぎになるので、「今から?」と不愉快さを示す。

もう晦日だよ。アタシだって買い物や、掃除など、したいことも沢山あるのである。

そうすると、すぐに帰るから、今から行くと言い強引に押し切られてしまう。

歩いて20分、電車でもドアツードアで15分という至近なのに、遅れる理由は、(痴呆の典型的な症状に見られる)何らかを探していてパニックになり、出発できないということが多いのだろうと類推している。

来たら来たで、再度、問題のポストカードに、どう文字が書けなかったのかをわざわざ見せてきた。

私は、もう一度、気に入らない作品を納品したことを、謝った。

毎度毎度、このような嫌な気持ちになるので、もう関わりたくないというのが本音のところである。

神経が過敏だという病気は、実は治りづらい。一人で生きていくというのは大変なことだなと思う。

彼女のケアをしようと思ったのは、あった時に、彼女がかなりの痴呆症状だったことからである。

大分良くなっては来たように見えるが、いつ、急激に脳が縮んでしまうのかというのは、解らない。

ギャラリーの中に入ってくると、他の人とアタシが歓談していようが構わずに、自分の近々の話をし始める。

誰の話にも加わらず、自分の知りあいの話や、絵の会でうまくいっていないという愚痴などをである。

彼女が来ると帰ってしまう人もいる。

そんなに嫌われてしまうというのは、何が原因なのかを考える。

アタシは、別段、彼女のために話を聞いているのではない。

こういう、感情の交錯や、人間関係のまずさが、どこからくるものなのか。

性格というのは、改善することができるものなのか?

彼女は、なぜよくならないのか。

どうしたら、良くなるのか。

そういうことを考えているのである。

彼女のような、激しい自己顕示欲を持つ人のほとんどが、嫌われている。

激しい性格のため、多くの人と衝突し、本人も傷ついてはいる。

激しすぎる情動を持つ人は、他人を追いつめすぎ、病気にしてしまうことの最大の原因でもある。

そういう人は、実は何人か見たことがあり、少しでも楽になれるような思考の改善を取り入れるといいのになと思うことが多い。

まあ、スポーツの選手とか、頭脳プレイの上位者でも、何でも、勝ち負けが関わる職業の人は、そういう業が強すぎるほうが、結果もついてくる場合も多いのではないかとも思う。

それは、そういう業の強さが、どういう所に発揮されるのかという、適材適所的な話になる。そういう性格でないと、乗り越えられない一流の世界があることもまた事実。

ところが、一流の才が伴わなくて、性格だけがトンチンカンな場合に、問題は起きてしまう。

ほとんどの場合、「自分を褒めてほしい、認めてほしい」

という自己顕示欲の強さ、その顕示により、人を支配したいという支配意識。

他人を否定することによる自己肯定。

この三つがセットになっている。

自分の辛さばかりを主張する、この筋の病気の人は、結局は、自己愛が強すぎて、自分の非を認められないというのが、病気が治らない原因の主たる理由である。

他の否定と自己肯定がセットなので、仕方が無い。

誰かを悪者にすることでしか、自分を認めることができないので、他の人を褒めたりはしないのだ。

私は、彼女の作品の原画も見ているが(撮影も私がしているので)

ポストカードとは、全く違う色であり、詐欺行為にしか思えない。

原画を見ても、同じ絵だと気付く人は皆無であろう。

それでも、コントラストの強い、その作品をポストカードにしてくれとアタシに頼み、今回は600枚印刷したのだが、何カ月かで配り切ってしまうその社交性には驚くばかりである。

社交性というよりは、自己顕示欲なのだが、その業の強さが、やはり不憫だと思わないわけにはゆかない。

アタシは、何かの会に出かける時も、名刺すら持たないことが多いからである。

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