◆◆◆ 1929 ★ カメラマンのOさん来訪 ◆◆◆

インターネットラジオFM北千住 ときどきゲリラ的に収録・生放送

(あとはいつでも見れますよん)

2013.12.16.

カメラマンのOさんが、フラリとギャラリーを訪ねてきた。

アタシが表紙を描いていた雑誌のカメラマンである。

どんな悪代官顔も、天使のように撮るというテクニックで、彼に写真を撮影してもらえば、あらゆる人がニコニコになる。

近所でカメラマンの講師を探している人がいて、アタシは、彼を紹介し、彼は、本日、その人のポートレートを撮影した帰りに寄ってくださったのである。

O「僕にはね、人間には、良い面もあれば、悪い面もある。そういう、最高に良い部分も、最高に悪い部分も、人間ひっくるめて、全部撮ってやろう。そういう気持ちがあるんです。」

オジャラ「ふーん。Oさんってさ、ずっとイイ人でやってきましたってオーラ全開だけどね」

O「ええ、そういう時期もありました。悪い部分には、目を向けないっていうか、見ないふりしちゃうっていうかね。でも、あるときに、悪は無くならないってことに気づいたんです。」

オジャラ「それはヨカッタですね。ずっと善人の理想を続ける人ほど、精神病になりやすいんです。現実とのギャップを受け入れることができなくて、壊れちゃう人がほとんどですね。」

という会話。良い人ほど狂ってしまうという社会構造。農業や漁業に従事していれば、良い人であることに何ら問題はない。

東京砂漠というのは、人の心も渇いてしまうのか。

失脚した都知事の猪瀬氏のことを思い出す。

例のごとく、囲炉裏での餅焼きタイムに突入。

餅を焼きながら、炭がいくらするのかとか、囲炉裏はもっと大きければ温かいのかとか、そういう話になる。

オジャラ「これは、手を温める用の器具だからね。部屋を暖かくはできないよね。

かといって、大きいと(灰が飛び散って)汚れるしね。

オジャラ「日本の家屋の暖房の考え方って、部分暖房なんだよね。部屋が木造で、密閉性も低いんだけど、基本的には、服を沢山きて、冷たくなる手や足だけ、局部的に温めるという方式なのよ。」

O「なるほどですねー」

オジャラ「この道具は、そういったときに、指先を温めるための火鉢なの。冬にパソコンやってると、部屋を暖めても、指先だけ冷たいってことあるじゃない。

そういうときのお伴なのよ」

O「いやあ、部屋の暖房器具が不足していてね、何か追加で、暖房器具を購入したいと考えていたところなんですね。」

オジャラ「ここは木造で、三軒続く長屋だし、密閉悪い状態だけど、マンションとかは気をつけてね。一酸化炭素中毒で死んじゃいますよ。それに、部屋を暖めるという機能は皆無よ。あはは。さすがに、小さいストーブでも鉄瓶で、ダブルで湯を沸かしているときには、鉄瓶の温度で、オイルヒーターみたいって思ったことはあったけど。」

というように、新しく到着した囲炉裏ちゃんは、大人気。

どの人も、「こういう生活にあこがれている」と言い、炭に手をかざす。

それは、そうだろう。

アタシだって、憧れていた。

囲炉裏という響きは、暖炉付きのリビングと同じぐらい、非常識であり、そういう生活がしたいと望むのは、煩悩のなせる技である。

Oさんには、知人のケリーが50歳で急逝した話をする。

そうして、彼の場合職業的なこともあり、結構何時間もかけて一つの仕事をする性格的な問題もあり、膨大な量の写真が存在するという話になる。

オジャラ「毎年、自分の選んだ、300枚ぐらいの写真を、プリントしておくといいですよ。

過去10年にさかのぼってとか、ムリでしょ。」

O「それは、嫌だなあ。今年のなら、何とかって感じだけど。」

Oさんが撮影してくれた、満喫バイト時代のメイド服の写真は、お店が閉店したときに、アタシが作ったチラシや、お店の間取り図をコピーして、中央には、写真を配置して、ギャラリーに展示してある。

Oさんは、それを見て、プリントしたものというのは、デジタルとは違うという再確認をしたようだった。

Oさんは、ゆっくりと話をしてゆき、七時半ごろになり、このあと、毎年撮影している、都内のクリスマスツリーの撮影に行くと帰ってゆく。

これから、また撮影するのかと思うと、驚いた。

仕事は写真家、趣味も写真だと話していたけどな。

とりあえず、デジタルデータというのは、他人にとっては、何の価値もないのである。

彼の写真は、印刷物になり残っているものもあるだろうけど、作家なのであれば、自分がベストチョイスした品を、紙にして残しておくのがベストである。

写真家の話も随分とした、AERAの表紙の坂田さんや、アラーキーのスタジオの話とか。

そうして、ケリーの絵は、世界中に散り散りになり、もう、撮影することも、まとまって発表されることもないのかと思うと、そのことが悔しい。

おじゃら画廊

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